
警察が遺体を取り違え、全く面識のない人の遺体を遺族に引き渡すという事態が発生した。警察が誤りに気付いたのは、その遺体がすでに火葬された後だった。
1日、朝日新聞などの報道によると、埼玉県警は5月24日、吉川警察署で保管していた70代女性の遺体を、別の遺族に誤って引き渡したと発表したという。
吉川警察署は、本来60代男性の遺体を葬儀社を通じて遺族に引き渡すべきだったが、同じ霊安室に安置されていた70代女性の遺体を誤って引き渡してしまった。
警察が70代女性の遺体の不在に気付いたのは5月31日だったという。しかし、その時点で女性の遺体はすでに火葬されていた。
両遺体は今年、吉川警察署管内で変死体として発見されたが、事件性はないと判断されていた。

誤りが判明した後、警察は60代男性の遺族に経緯を説明し、正しい遺体を引き渡すことになった。
一方、すでに火葬された70代女性の遺族はまだ現れていない。
県警の規定では、遺体引き渡し時に警察官が遺体の氏名、年齢、性別などを記した識別票を確認することになっている。
しかし今回は識別票が付けられておらず、引き渡しを担当した2人の警察官が必要な確認手続きを怠ったと見ている。同様の事例は2014年11月以来3度目だ。吉川警察署の小浦健一副署長は「職員に対する指導を徹底して、再発防止に努めて参ります」と述べた。