
シンガポールで未成年者を誘い、下着姿での写真撮影を強要した30代の男に懲役刑と鞭打ち刑が言い渡された。
27日、シンガポールの公営CNA放送などによると、シンガポール裁判所は、児童にわいせつ行為を行い、性的虐待関連の資料を所持していた容疑で、トニ・チン・キアット被告(32)に懲役27か月と鞭打ち5回を言い渡したという。
現地検察の起訴状によると、トニ被告は南洋理工大学に在学中だった2018年、路上で出会った13歳の少女Aさんに自身をフリーランスの写真家だと偽り、モデルになるよう話を持ちかけたという。執拗に連絡先を聞き出そうとしたため、Aさんは電話番号の代わりにSNSのアカウントを教えた。
その後、トニ被告はSNSのメッセージを通じて「下着姿で写真を撮ってくれれば報酬を払う」と繰り返し要求。Aさんは被告からのしつこい要求を断ち切るため、やむなく1度の撮影に応じた。
トニ被告は大学の寮にAさんを連れ込み、あらかじめ用意しておいた露出度の高い下着を着せて写真を撮影。数日後、2度目の撮影を要求したが、Aさんが無視したため、再び大量のメッセージを送り続けた。この執着的な行動は、Aさんが警察に通報すると警告したことでようやく止んだ。
これに関連し、現地紙「ストレーツ・タイムズ」は「(復讐を)恐れた被害者は警察に通報しなかった」と報じた。
シンガポール検察は、被告が未成年者の性的搾取まで計画していたとみている。タン・ジンミン副検事は「Aさんが撮影に不快感を示したにもかかわらず、被告は無視して撮影を続けた」と指摘。「被告は気に入った少女に接近し、モデル撮影を口実に性的関係を持とうとしていた」と述べた。
トニ被告の一連の犯行は、2020年9月に類似の犯罪を企て、また別の11歳少女に接近したところを警察に逮捕されたことで発覚した。捜査の過程で、2018年にも下着での写真撮影のために18歳の少女を3回寮に呼び出し、性的暴行を加えていたことも明らかになった。
被告の携帯電話やノートパソコンからは、児童を性的に描写した写真や動画ファイルが大量に見つかった。弁護側は「被告は動画に児童性的虐待の内容が含まれていることは認識していたが、視聴はしていなかった」と釈明した。
これに対し、ユージン・テオ裁判長は「視聴の有無にかかわらず、鞭打ち刑に値する不快な資料であることに変わりはない」と指摘した。