アップルのiPhone 16 Pro(256GB基準)の部品原価は約550ドル(約8万1000円)だが、ドナルド・トランプ米大統領が公言した各種関税が適用されると847ドル(約12万5,000円)に跳ね上がる可能性があることが明らかになった。

6日、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、このiPhoneモデルの部品原価が549.73ドル(約8万1000円)だと伝えた。日本製の背面カメラ部品が126.95ドル(約1万8,700円)と最も高額で、台湾製プロセッサー(90.85ドル、約1万3,400円)、韓国製ディスプレイ(37.97ドル、約5,600円)も高い割合を占める。中国製バッテリーは約4.1ドル(約600円)。米国製部品はメモリーチップなど一部に限られる。
WSJは、米国が中国製部品に54%の追加関税、韓国と日本製部品にそれぞれ25%と24%の相互関税を課した場合、iPhone 16 Proの部品原価は846.59ドル(約12万5,000円)と約54%上昇すると予測。これにより、現在1,100ドル(約16万2300円)のこのモデルの小売価格も急騰する可能性が高い。
アップルは部品原価に組立・検査費用、利益などを上乗せして小売価格を決定する。組立は主に中国で行われており、iPhoneはグローバルサプライチェーンの産物だ。ローゼンブラット証券のアナリスト、バートン・クロキット氏(Barton Crockett)は「iPhoneは多数の輸入部品で構成されているため、米国で組み立てても部品関税は避けられない」と指摘。「部品製造拠点の米国移転は巨大プロジェクトで数年を要する」と述べた。仮に部品まで米国製にしても、中国の約10倍の人件費を考慮すると、iPhone価格が天井知らずに高騰する恐れがあるとWSJは分析している。
市場調査会社テックインサイツのリサーチ・アナリスト、ウェイン・ラム氏によると、iPhone1台の組立人件費は中国では約30ドル(約4,400円)だが、米国では300ドル(約4万4,000円)に達する可能性がある。