パイネットワーク(Pi Network)が発行する暗号資産パイコイン(PI)の価格が1日で約13%下落し、投資家の間で懸念が広がっている。

7日(日本時間)、一時0.53ドル(約77円)まで下落したパイコインは、同日午後10時時点で少し反発し、0.56ドル(約82円)前後で取引されている。
パイコインは直近まで3ドル(約441円)近くまで上昇していたが、ここ数週間は下落基調が続いている。市場関係者の中には、今後0.3ドル(約44円)まで下落する可能性があると警鐘を鳴らす声も出ている。
今回の下落は、暗号資産市場全体の調整局面の中で起きたもので、過去24時間で約14億ドル(約2,060億327万円)規模のポジションが清算されたとされる。
加えて、パイコインにおける継続的なトークンアンロックも価格押し下げの要因となっていると分析されている。
ブロックチェーンデータプラットフォーム「PiScan」によると、7日から11日(米国時間)にかけて、1日あたり平均150万PIがアンロックされる予定だという。これは、18日に予定されている980万PIのアンロックと比較すると少ない水準であり、一部の投資家は今週を回復の好機と期待したが、市場の反応は逆に下落となった。
しかし、投資家の期待に反し、パイコアチームは特別な公式発表やトークン焼却計画を示しておらず、主要取引所への上場も実現していない。これが市場心理をさらに冷やしている。取引量も前日比約49%減の4億1,213万ドル(約606億4,295万円)にとどまった。
取引量と価格の同時下落は、明確な買い需要の不在を示唆しており、さらなる下落の可能性を示している。
市場専門家のドクター・アルトコインは「パイコインのトークノミクス構造に大きな変化がなく、コアチームの沈黙が続けば、0.30ドル(約44円)以下に落ち込む可能性がある」と警告した。
特に、中央集権型取引所(CEX)へのパイコインの流入が売り圧力を一層強めると予測し、回復時期は早くても8月末以降になる可能性があるとの見方を示した。
現在、市場の関心はパイコインの今後の動向に注目している。投資家の間では「当面は慎重な姿勢が必要」との見方が優勢だ。短期的には追加下落への備えが必要とされる一方、長期的にはパイコアチームの戦略的な対応と実用性の確保が価格回復の鍵を握るとみられている。