
カナダのマーク・カーニー首相率いる与党自由党が、28日の総選挙で最多議席を獲得する確率が80%を超えるとの見通しだ。
英紙エコノミストは最近、独自の選挙予測モデルを引用し、自由党が最多議席を獲得する確率を83%、過半数の議席を確保する可能性を73%と予測した。わずか3か月前の1月の予測(4%)から実に80%近く上昇した。自由党の支持率は今年に入ってから25%急騰している。過去10年間で、31の先進国のうち政党支持率が100日間で25%以上上昇した例は2022年のスロベニア自由運動党のみで、自由党の支持率上昇は異例との評価だ。
先月、正式就任したカーニー首相は、25%の高関税賦課などトランプ米政権の経済圧力に正面から対抗し、支持層の結集に成功した。彼は「米国との長年の関係は終わった」と強硬姿勢を示した。ジャスティン・トルドー前首相が9年間率いた自由党は、物価高騰や住宅価格の急騰などで支持率が低下し、総選挙での大敗が予想されていた。
しかし、1月のトルドー前首相の辞任表明を機に、反米感情がカナダ全土に広がり、強硬対応を掲げるカーニー首相の登場で自由党の支持率が保守党を上回った。世論調査会社イプソスが今月1~3日にカナダ全土の成人1,000人を対象に実施した調査でも、自由党は支持率46%を獲得し、保守党(34%)を12%リードした。これは自由党が単独で過半数政権を樹立できる水準だ。
少数政党支持層の自由党への結集も顕著にあらわれている。左派・新民主党(NDP)支持層の離脱が自由党支持率上昇に寄与しているとの分析が出ている。NDPの支持率は8%で、2021年の総選挙時(18%)から半分以上低下した。エコノミストはNDPが現有24議席のうち20議席を失うと予測している。