
米国債10年利回りが11日(現地時間)、ついに心理的節目となる4.5%を突破した。
米国債10年利回りは、世界の金融資産の指標金利として機能している。
トランプ大統領の関税政策がもたらした不確実性の中、代表的な安全資産である米国債までもが動揺し、価格と反対に動く国債利回りが上昇している。
10年利回りは同日0.17ポイント上昇し、4.567%に達した。これは2月13日以来の最高水準だ。
トランプ大統領が9日に相互関税を90日間猶予すると発表したものの、対中関税戦争を強化しているため、不安定な市場心理が国債利回りを押し上げ続けている。
投資家が海外の安全資産に目を向ける中、米国資産の売却が進んでおり、米国債も売却対象となっている。その結果、国債価格は下落し、利回りは上昇している。
市中の短期金利指標となる米国債2年利回りも0.05ポイント上昇し、3.899%となった。
10年利回りは今週だけで0.5ポイント以上も急騰した。先週4%近辺で終了した利回りが心理的節目の4.5%を突破した。
今週の上昇幅は過去最大級の上昇率の一つとなっている。
これは投資家の米国債に対する見方に大きな変化が生じたことを意味する。
過去には、今のように先行きが不透明で不安定な状況下で、投資家は安全資産である米国債に殺到していた。
しかし、今回は様相が異なる。
米国債の二大保有国である日本と中国が、貿易戦争の激化を受けて米国債を売却しているとみられる。
米国の市中金利の急騰が、トランプ大統領の相互関税猶予につながったと考えられる。
ホワイトハウス国家経済会議(NEC)委員長、ケビン・ハセット氏は10日、CNBCとのインタビューで「債券市場が発しているメッセージは『おい、そろそろ動く時期かもしれないぞ』ということかもしれない」と述べ、国債利回りの急騰が相互関税の猶予決定にある程度影響を与えたことを認めた。
プリンシパル・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト(CGS)、シマ・シャ氏は、債券市場が「おそらくトランプ政権の神経を逆なでした可能性がある」と指摘した。
シャ氏は「彼らは繰り返し自分たちが国債利回りに注目していると強調してきた」とし、「先週国債利回りが4%を下回った際にも同様のことを述べていた」と指摘した。
同氏は「低い資金調達コスト(金利)はトランプ政権の全体的なアジェンダの中核を成すものと思われる」と述べ、「したがって、国債利回りの急騰という市場の流れの転換は、間違いなくホワイトハウスに重大な懸念を引き起こしたはずだ」と語った。
トランプ大統領は連邦準備制度理事会(FRB)にも金利引き下げを強く要求している。