
ドナルド・トランプ米大統領が、習近平中国国家主席による2025年最初の外遊に対して批判的な見解を示した。
トランプ米大統領は14日(現地時間)、ホワイトハウスで行われたエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領との共同記者会見で、習主席が同日から1泊2日の日程でベトナムを国賓訪問することについて言及した。
「中国を責めるつもりはありません。ベトナムも責めません。でも、彼らが今日会談しているのを見ました。本当に素晴らしい会談でしたね?まるでどうやってアメリカを騙すかを話しているように見えました」と皮肉を込めて語った。
さらに「習近平主席を責めるわけではありません。私は彼を好ましく思っており、彼も私のことを好んでいると思います。まあ、お分かりの通り」と含みを持たせた発言も加えた。
習主席はベトナム訪問後、15日から18日にかけてマレーシアとカンボジアも訪問する予定であり、米中間の通商戦争において中国の味方となる国を確保するのが今回の歴訪の主な目的とされる。
トランプ米大統領は、中国がベトナムなどを経由して対米輸出を行う「迂回戦略」に警戒感を示しており、すでにベトナムにも46%の相互関税を課している。だが、ベトナムは関税発表後すぐに米国と交渉に入り、トランプ米大統領から「偉大な交渉人」、「偉大な人々」と称賛されていた。
それでもトランプ米大統領は「彼らは我々に90%の関税をかけているが、我々は46%しかかけない」と述べ、貿易の不均衡に対する不満をにじませた。
先週、トランプ大統領は中国製品への関税を145%に引き上げたと発表し、中国との交渉を期待して電話を待っているとも述べていた。
これに対し中国も、米国製品への関税を125%に引き上げ、報復措置を講じた。だが現在のところ、米中間で具体的な協議が行われている兆しは見られていない。
一方、共産党の一党支配体制を共有するベトナム訪問初日、習主席はハノイでラム国家主席と会談を行い、中国とベトナムの経済的関係の強化を確認した。2024年における両国間の貿易額は前年比14.6%増加しており、中国はベトナム最大の貿易相手国となっている。
習主席にとって今回の訪越は4回目で、ベトナムを最も多く訪問した中国最高指導者でもある。今年は1950年の中越国交樹立から75周年を迎える記念の年でもある。
2015年に初めてベトナムを訪問した際には、若者との交流の場で「中国ではホー・チ・ミン主席のことをホーおじさんと親しみを込めて呼んでいる」と述べたと中国国営の新華社通信は伝えている。
また、2017年の国賓訪問の際には、1955年にホー・チ・ミン主席が中国を訪れた当時の人民日報19部をベトナム側に贈り、「これらの新聞を探すのはとても大変だった」と語ったという。