
ドナルド・トランプ大統領の側近は、ウクライナ戦線で攻撃を続けるロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、警戒を強め、強硬対応を促している。就任100日以内にウクライナ戦争の終結を目指していたトランプ大統領は、依然としてプーチン大統領を擁護する姿勢を崩していない。
米ウォール・ストリート・ジャーナルは14日(現地時間)、ホワイトハウス関係者の話を基に報道した。一部のスタッフは、プーチン大統領の休戦意志を過小評価しないよう助言しているという。
プーチン大統領に否定的なスタッフには、先月ウクライナ政府と30日間の休戦案を協議したマルコ・ルビオ国務長官やキース・ケロッグ・ウクライナ特使が含まれている。彼らはトランプ大統領に対し、プーチン大統領との対話では慎重に対応し、領土要求には強硬に対処すべきだと進言した。
先月、ウクライナとの休戦合意を結んだトランプ大統領は、同月18日にプーチン大統領に和解を提案したが、拒否された。プーチン大統領は全面休戦を否定し、エネルギー関連施設への攻撃を30日間停止する意向を示した。
3月23日から25日の交渉では、黒海上空での休戦が表明されたものの、全面休戦は繰り返し拒否されている。ロシアのペスコフ大統領報道官は14日、エネルギー関連の休戦が16日に終了することを明かし、延長の可否についてはプーチン大統領が決定するとの立場を示した。
ロシアとウクライナは休戦後も戦闘を続けており、13日にはロシアがウクライナ北東部スーミに2発の弾道ミサイルを発射した。この攻撃により、少なくとも34人の民間人が死亡し、117人が負傷した。

ウクライナ特使のスティーブン・ケロッグ氏は、ロシアが「道徳的限界を超えた」と非難した。マルコ・ルビオ上院議員は「今回の攻撃は恐ろしい」と述べ、戦争終結の必要性を訴えた。ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領も13日の声明で、プーチン大統領が戦争を続ける理由について「彼らは恐れていない」と指摘し、「十分に強く圧力をかけなければ、戦争は続くだろう」と警告した。
ウォール・ストリート・ジャーナルが接触した関係者によると、ドナルド・トランプ大統領はルビオ議員らの助言を受け入れず、依然として中東特使のスティーブン・ウィトコフ氏の意見を支持しているという。ウィトコフ氏は今年に入り3回以上プーチン大統領と会談しており、先月3日の米フォックス・ニュースのインタビューで「プーチン大統領は平和を望んでいる」と述べ、好意的な立場を取っている。
13日、トランプ大統領はウクライナのスーミへの攻撃について「恐ろしいことだ」と述べ、「彼らが間違いを犯したと聞いた」と語った。14日の記者団との会見では、何が間違いだったのかと問われ、「戦争を引き起こしたことが間違いだった」と答え、「私は死を止めたい。その点ではうまくやっていると思う」とし、「近々、非常に良い提案がある」と主張した。
トランプ大統領はウクライナ戦争の責任が3人にあるとし、「プーチン大統領が1人目、状況を把握していなかったジョー・バイデン前大統領が2人目、ゼレンスキーが3人目」と述べた。「バイデン前大統領とゼレンスキー大統領は戦争を阻止できたはずだ。プーチン大統領はそもそも戦争を始めるべきではなかった」とし、「全員が非難されるべきだ」と強調した。さらに、「ウクライナの国土の25%が失われ、数百万人が命を落とした」と指摘し、「これはバイデンの戦争であり、私はそれを止めるために努力している」と明言した。
トランプ大統領は昨年の大統領選挙運動中、就任24時間以内にウクライナ戦争を終結させると約束していた。ケロッグ大統領は先月8日のインタビューで、トランプ大統領が「就任後100日以内」に終戦を望んでいると述べた。トランプ大統領は今月30日に就任100日目を迎える。先月、プーチン大統領を圧迫するためにロシアの石油に対する追加の輸出制裁を警告したが、実行には移していない。
クレムリンのペスコフ報道官は13日のインタビューで、プーチン大統領とトランプ大統領の会談は「適切な時期に行われる」とし、会談の準備が必要だとした。
