今年第1四半期における暗号資産イーサリアム（ETH）の価格推移は、過去5年間で最も低調なパフォーマンスを記録した。
しかし、主要なテクニカル指標と投資家の動向から、イーサリアムの価格が反発に転じる可能性が指摘されている。
仮想通貨関連メディア「コインゲイプ」によれば、現在市場で注目を集めているのはTDシーケンシャル（TD Sequential）と呼ばれるテクニカル指標だという。
仮想通貨アナリストのアリ・マルティネス氏は、最近自身のX（旧Twitter）で、イーサリアムの週足チャートにおいてTDシーケンシャルの「9」に該当する買いシグナルが確認されたと明らかにした。
同氏によると、この指標は過去にも下降トレンドの終盤で買い機会を示しており、今回も上昇転換のシグナルとして解釈されている。
イーサリアムは今月初めに1,400ドル（約19万9,241円）まで下落し、底値を付けた。これは、投資家の売り圧力に加え、暗号資産市場の弱気相場が重なった結果だと分析されている。
特に、ビットコインに対するイーサリアムの価値が数年ぶりの最低水準まで落ち込んだことは、同資産の技術的優位性や市場における立ち位置への不信感を生んだとみられる。
しかし、最近のローソク足チャートでは実体部分が徐々に小さくなっていることや、主要な抵抗線が見当たらない点は、売り圧力が弱まっていることを示唆している。
これは新たな買い需要の流入可能性を高める要因であり、外部からマクロ経済的な影響がなければ、上昇トレンドが形成される下地が整いつつあると示唆された。
15日（日本時間）午後8時30分時点で、イーサリアムは週間ベースで3.46％上昇し、1,629ドル（約23万1,831円）で取引されている。時価総額は約1,968億ドル（約28兆75億9,759万円）を記録している。
回復の基調は緩やかだが、価格が対称三角形のパターンを形成しているため、今後の方向性次第では大幅な上昇、もしくはさらなる下落の可能性もあると見られている。
仮に上昇が続けば、目標価格は1,900ドル（約27万398円）とされ、逆に下落した場合は1,380ドル（約19万6,394円）まで下がる可能性もある。
このような状況下で、ある大口投資家が1,260万ドル（約17億9,316万円）相当のロングポジションを、5倍のレバレッジで開設したことが明らかになった。
この動きは市場参加者の心理に直接的な影響を与え、価格上昇への期待感を高める要因となっていると語られている。
現在のイーサリアム市場にはまだ不確実性が存在するものの、テクニカル分析および投資家の行動は、反発の可能性を重視する内容となっている。
専門家の間では、ドナルド・トランプ大統領の関税政策など、マクロ経済要因が変動要因として挙げられているが、中長期的には依然として強気の見通しが維持されていると分析している。