米国に上場している暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)ETFが、7営業日連続で続いていた資金流出を食い止め、再び資金を呼び込み始めた。

暗号資産専門メディア「ビーインクリプト」の報道によると、米国時間4月14日時点で、米国上場のビットコインETFは合計147万ドル(約2億923万1,914円)の資金純流入を記録した。これにより、機関投資家による関心の回復が示唆された。
この純流入は2日以来初めて記録されたもので、市場のセンチメント転換の初期シグナルとみられている。
今回の資金流入を主導したのは、資産運用大手ブラックロックが提供する「IBIT」だった。IBITは1日で3,672万ドル(約52億2,652万7,826円)の資金を集め、最大の純流入を記録したと報じられている。

一方で、フィデリティ(Fidelity)のFBTCは、同日に3,525万ドル(約50億1,729万5,911円)の資金流出を記録し、対照的な動きを見せた。これについて、ETF間での競争が依然として激しいことを示唆している。
オプション市場では、依然として慎重な姿勢が強まっている。
プットオプション(特定の価格で売る権利)の取引比率がコールオプション(特定の価格で買う権利)を上回っており、一部の投資家が価格下落リスクへ備えていることがうかがえる。これは、ETF市場での小規模な資金純流入とは対照的な動きだ。
一方、先物市場ではやや異なる動きが見られている。
ビットコイン先物の未決済約定(オープン・インタレスト)は、直近24時間で2%増加し、総額560億ドル(約7兆9,690億6,289万円)に達した。これは、デリバティブ市場における取引活発化を意味しており、一定の価格上昇期待が織り込まれている可能性があるとみられている。
未決済約定の増加は通常、新たな資金が市場に流入していることを示す。特に上昇相場の中で未決済約定が増加する場合、強い買い圧力が流入しているシグナルとみなされる。
しかし、現在ビットコイン先物の資金調達率(ファンディングレート)が、今月2日以来初めてマイナスに転じた点にも注目が集まっている。
これは、ショートポジションを保有する投資家が、ロングポジションの保有者に資金調達手数料を支払っている状況であり、市場では売り圧力が強まっていることを示す。つまり、下落を見込む投資家が増加している可能性があると解説された。
専門家の間では、「ETF市場では資金流入という好材料が見られる一方で、デリバティブ市場では依然として警戒感が根強く残っている」との声が上がっている。
特に、オプション市場においてプットオプション優位の構造が続いている点や、ショートポジションの増加傾向については、「市場全体がまだ楽観一色ではない」ことを示していると指摘する。
そのうえで、今回のETFへの資金純流入は、その規模よりも象徴的な意味合いに注目すべきだと強調している。