ルイ・ヴィトン、今年2度目の値上げ…一部バッグ製品が平均3%上昇
高級ブランド市場が低迷する中でも、人気ブランドの「強気な商売」はますます露骨になっているようだ。高級ブランドのルイ・ヴィトンは、販売中の一部バッグ製品の価格を突如引き上げた。
15日、高級ブランド業界によると、ルイ・ヴィトンは同日、一部バッグ製品の価格を平均約3%引き上げた。
代表的な人気商品「アルマBB(モノグラム)」の価格は約3%、同製品のエピ(レザー)素材モデルは2.8%上昇した。

その他、「ナノ・スピーディ」や「ネオノエBB(モノグラム)」もそれぞれ値上げされた。特筆すべきは、ネオノエBBが今回の価格改定で初めて30万円の大台を突破したことだ。
高級ブランドの相次ぐ値上げの波
ルイ・ヴィトンは今年に入って2度目の値上げに踏み切った。
1月にも一部バッグ製品の価格を8~13%ほど引き上げている。こうした値上げは、世界的な原材料価格や物流費の上昇などの外部要因に加え、ブランド価値維持のための価格戦略と解釈される。
今年に入り、ルイ・ヴィトンだけでなく主要高級ブランドが次々と価格を引き上げている。
シャネルは1月にクラシック・フラップバッグなど一部の主力製品の価格を平均2.5%引き上げ、エルメスも1月にハンドバッグとアクセサリーの価格を10%引き上げた。
業界では、米国政府の関税政策と高インフレに伴う高級ブランド業界全体の連鎖的な値上げの流れが当面続くとみている。
米経済専門誌フォーチュンは、スイスの投資銀行UBSが、欧州の高級ブランド企業がトランプ大統領の相互関税による負担を軽減するには、製品価格を平均6%引き上げる必要があると試算したと報じた。
高級ブランドの値上げの背景と展望
高級ブランドの値上げは、単なるコスト上昇とは別の意味を持つ。
ラグジュアリーブランドは、希少性と排他性を維持するために価格政策を戦略的に活用する傾向がある。特に世界経済の不確実性が高まる状況下で、ブランド価値を守るための防衛策として捉えることができる。
金融情報会社ブルームバーグは、世界の高級ブランド市場が2023年に約1.5兆ドル(約214兆円)規模に成長し、コロナ禍以降もラグジュアリー消費への需要が着実に増加していると伝えた。こうした状況下で、高級ブランドはインフレや原材料価格の上昇などの外部要因を価格に反映しつつ、ブランドポジショニングをさらに強化する戦略を取っている。
業界専門家は、米国の新たな関税政策と世界的なサプライチェーンの不安定が続く限り、高級ブランドの値上げ傾向は続くと予測している。