暗号資産（仮想通貨）ビットコイン（BTC）が再び上昇トレンドに転じている。
今月初めに一時的な下落を見せたビットコインは、関税問題の影響で8万ドル（約1,141万4,785円）を割り込んだものの、その後反発に成功した。16日（日本時間）午後7時時点では8万3,000ドル（約1,184万2,839円）台を記録し、1週間前と比べて8.33%の上昇となった。
暗号資産関連メディア「ニュースBTC」の報道によると、クリプトクォントのアナリスト、ボリスベスト（BorisVest）氏は最新のオンチェーンデータを分析し、ビットコインは現在のサイクルにおいてなお過小評価されていると指摘した。
特に注目すべきなのは、取引所に保管されているビットコインの量が2018年以来の最低水準まで減少している点である。
現在取引所内に保有されているビットコインは約243万BTCとされ、2021年の強気相場期に見られた340万BTCから大幅に減少している。
この動きは、投資家が短期的な売買よりも長期保有を志向していることを示しており、市場への供給量が制限されることで、価格には上昇圧力がかかる可能性があると語った。
加えて、ステーブルコイン供給比率（Stablecoin Supply Ratio, SSR）指標も注目に値する。現在のSSRは14.3と低水準にある。SSRが低いということは、まだ市場に投入されていない資金が待機中であり、価格が安定するか上昇すれば買い圧力が高まる可能性があることを意味すると説明した。
資金調達率（Funding Rate）もビットコインの短期的リスクが低下していることを示す指標となっている。
過去にビットコインが史上最高値を記録した際には、ロングポジションが急増し、資金調達率が大幅に上昇したが、現在は0.00%～0.01%の範囲で安定している。「これは過度なレバレッジの蓄積が見られず、市場の健全性が保たれていることを示すサインだ」と明らかにした。
これらの複数のオンチェーン指標を総合すると、現在のビットコインは①取引所内での保有量の減少、②ステーブルコインによる流動性の確保、③資金調達率の安定といった三つの要因を基盤に、上昇トレンドを継続する環境が整っていると考えられる。
一方で、世界的な関税政策や金利動向といったマクロ経済要因は、依然として市場心理に影響を与える可能性がある。それでも、オンチェーンデータが示す傾向は、投資家の信頼感が維持されていることが読み取れると示した。
専門家らは、今後のビットコイン相場について「オンチェーン上に蓄積された強気のシグナルが上昇モメンタムに転換するか、それとも一定の調整期間を経て次のラリーに備えるかによって決まる」との見方を示している。