暗号資産（仮想通貨）市場で最も注目を集める仮想通貨であるビットコイン（BTC）が、8万7,000ドル（約1,220万7,438円）の水準を再び突破した。
この上昇は、今月初めに7万4,000ドル（約1,038万3,338円）まで一時下落した後の価格回復局面が続いていることを示している。
専門家らは、こうした動きについて「健全な調整局面」と捉えており、中長期的な上昇トレンドは依然として有効だとの見方を示している。
暗号資産関連メディア「ニュースBTC」の報道によると、仮想通貨アナリストのドクター・プロフィット氏が最近、ソーシャルメディアX（旧Twitter）を通じて、現在のビットコイン相場に関する分析を発信した。
プロフィット氏は先月、提示した2つのシナリオのうち、7万～7万4,000ドル（約982万2,077円～1,038万3,338円）での調整局面という第一のシナリオが実際に展開されたと指摘した。
一方で、「5万～6万ドル（約701万6,756円～842万107円）へのブラックスワン（予測不可能な突発的事象）による暴落」という第二のシナリオは発生しなかった。
プロフィット氏は、現在の市場で重要な基準線として機能している価格帯を「ゴールデンライン」と呼び、このラインが現在7万7,000ドル（約1,080万447円）に位置していると説明した。
プロフィット氏は、このラインが2023年初頭の強気相場の始まりから一貫して有効な支持線の役割を果たしており、ビットコインがこの水準を維持できれば、急激な下落のリスクは限定的になると分析した。
しかし、ビットコインには課題も残されている。
プロフィット氏によれば、「ハンマーライン」と呼ばれる重要な抵抗線が強固に機能しており、ビットコインがこのラインに接近するたびに反落する傾向が続いているという。
ただし、ゴールデンラインが維持される限り、市場は2つのシナリオのいずれかで展開される可能性が高いと予測した。
第一のシナリオは、ビットコインがハンマーラインを突破する場合だ。この場合、プロフィット氏は9万ドル（約1,262万3,900円）で保有しているショートポジションを解消し、7万7,000ドル（約1,080万447円）で取得した現物ポジションは維持する方針だと明らかにした。
一方で、価格が再びゴールデンラインの7万7,000ドルまで下落する場合に備え、同水準での追加購入のための指値注文もすでに設定している。
プロフィット氏は、ビットコインが短期的には7万7,000ドルから8万5,200ドル（約1,195万625円）のレンジ内でボックス圏相場を続ける可能性が高いとの見方を示した。
今後ビットコインの上昇を後押しする要因としては、米中間の協定締結の可能性、FRBの利下げ期待、マネーサプライ（M2）の増加などが挙げられる。
これらの要因は市場にポジティブな影響を与え、中長期的にはハンマーライン突破する動きにつながる可能性があると語った。
さらに、プロフィット氏は、ハンマーラインとゴールデンラインの間の価格帯を「危険地帯」と表現し、この区間での取引はリスクが高いと警告した。
プロフィット氏は、「ハンマーラインの突破は調整局面の終了と新たな最高値への上昇開始を意味する。一方で、ゴールデンラインを下回ると市場心理の変化とともにさらなる下落を招く可能性がある」という。
ビットコインは21日（日本時間）午後4時現在、8万7,500ドル（約1,227万3,236円）台で取引されている。週間ベースでは3.46%の上昇となっている。
専門家らは、テクニカル指標も上昇傾向を示していることから、当面の相場の方向性に対する市場の注目度はさらに高まるとの見方を示している。