パイネットワーク(Pi Network)が発行する暗号資産「パイコイン(PI)」の価格を下支えするため、パイコアチーム(Pi Core Team・PCT)が中央集権型取引所において大量のパイコインを直接買い付けているとの分析が示された。

暗号資産メディア「コインゲイプ」によると、ブロックチェーン分析家のドクターアルトコイン(Dr Altcoin)氏は、X(旧Twitter)上で「PCTに関連すると見られるサブウォレットがパイコインを積極的に収集している」と明かした。
同氏の分析によれば、このウォレットは過去2か月以内に作成されており、これまでに計4,850万パイコインを集めたという。
この量は約3,100万ドル(約44億2,848万3,058円)相当に上り、その大半が中央集権型取引所から流入したと分析された。彼は「これをPCTによる価格急落防止のための短期的な対応として講じられた可能性が高い」と述べた。
パイコインは、最近実施された「アンロックイベント」を契機に価格下落への懸念が高まり、コミュニティ内では不安が広がっていた。そのため、PCTが市場流通分を自ら買い入れることで価格防衛に乗り出したとみられる。
また同氏は「大規模なコイン焼却よりも、現時点では現実的な戦略だ」と述べた。「このサブウォレットは作成されて間もないが、既に約4,850万コインを保有しており、トークン焼却よりも賢明な方法だが、あくまで短期戦略に過ぎない」と指摘した。
23日(日本時間)午後8時30分現在、パイコインの価格は0.66ドル(約94円)を上回り、過去24時間で約5%上昇した。1日の取引量も78.66%増加し、1億2,727万ドル(約181億8,106万5,770円)に達するなど、短期的には好調な動きを見せている。ただし、長期的な価格の安定性については依然として不確実性が残る。特にPCTが買い付け資金を継続的に確保できるかどうかが懸念される。

加えて、最近では一部の大口投資家が取引所で4,100万パイコインを移動させたことが確認されており、パイコイン価格が5ドル(約714円)まで上昇する可能性があるとの期待も高まっている。
一方で、PCTによる買い付けを続けられない場合、価格が0.3ドル(約43円)まで急落する恐れもあると指摘されている。
現在、投資家たちはPCTの動向に敏感に反応しており、これが価格変動や市場心理に影響を与えている。特に、決済プラットフォームのバンクサ(Banxa)における不透明な動きは、今後の市場不安定性をさらに高める要因として懸念されている。