アメリカ・フィリピン、3週間で1万7,000人参加の合同演習実施
フィリピンで米海軍の地対空ミサイル、27日に初発射
フィリピン警察も中国海警と同様に国旗掲揚

アメリカとフィリピンが大規模な合同軍事演習を実施し地対空ミサイルを発射したことで、中国はフィリピンとの海洋領土紛争に積極的に対応した。
中国中央テレビ(CCTV)は26日、フィリピンと領有権を争っている南シナ海のスプラトリー諸島で、フィリピン領のティトゥ島近くにあるサンディ・ケイ礁に中国の海警が上陸し、五星紅旗を掲げる場面が放送された。
中国海警が国旗を掲げて写真撮影した中国名・鉄線礁は、パグアサ島とも呼ばれるフィリピンの軍事施設がある場所の近くに位置する。
CCTVは「中国海警が主権と管轄権を行使し、フィリピン側の違法行為の映像証拠を収集するために礁に上陸した」と伝えた。
また、海警5名がサンディ・ケイ礁に上陸して中国国旗を掲げ、写真撮影する様子を放送し、これを「主権の誓い」と説明した。
ゴムボートでサンディ・ケイ礁に上陸した中国海警は、国旗を掲げた後に立ち去り、礁に特別な構造物は設置しなかったとみられる。
フィリピン軍は中国の侵攻に備え、2023年にティトゥ島に海警監視基地を設置した。
21日からフィリピンとアメリカ軍は「協力して一緒に戦う」という意味を持つ年次合同演習「バリカタン」を3週間にわたって開始し、27日には地対空ミサイルを発射した。
中国は米比合同軍事演習について「地域の戦略的安定を損なう」と非難し、フィリピン政府が「外国と共謀した」と反発している。
フィリピンも中国海警の国旗掲揚の写真に対抗し、27日夕方に南シナ海の砂州で自国警察が同様のポーズで国旗を掲げた写真を公開した。
フィリピン西部海域国家タスクフォース(NTF-WPS)は「中国海警船が砂州から914m離れた場所に不法に駐留しており、中国民兵船7隻も含まれていた」と明らかにした。
中国とフィリピンの間では船舶衝突や乱闘など頻繁な対立が発生しており、最近中国は黄海にも養殖場と称して人工構造物を設置し、韓国との領土紛争の口実を作っている。

中国海警の国旗掲揚により、フィリピン警察が南シナ海の砂州で同じポーズで国旗掲揚写真を撮影した。
アメリカの国家安全保障会議は中国海警の無人礁上陸について「このような行動は地域の安定を脅かし、国際法に違反する」と警告し、ホワイトハウスは「同盟国と緊密に協議している」と付け加えた。
中国が非難する米比軍のバリカタン演習には最大1万7,000人の兵士が参加する予定だ。
27日、米海兵隊防空統合システム(MAAS)のミサイルがフィリピン北部沿岸から発射され、フィリピンでこのミサイルが発射されたのは初めてとなる。
短距離防空システムであるスティンガーミサイルなどで構成されるMAASとともに、アメリカの対艦ミサイルシステム「NMESIS」も参加する。
NMESISはフィリピン最大の島ルソン北部とバタネス諸島で海上封鎖作戦を実施し、インド太平洋地域における米海軍の存在感を強めた。
フィリピン軍はバリカタン演習が国家防衛のための訓練であり、特定の国を標的にしていないと主張するが、ピート・ヘグセス米国防長官は先月のフィリピン訪問で中国に対する抑止力を強化すると説明した。
バリカタン演習は、ドナルド・トランプ大統領がフィリピンだけでなくインド太平洋地域の他の同盟国への軍事支援を損なう可能性があるという懸念を払拭するものだと評価されている。