パレスチナのガザ地区の病院で約400体の遺体が密葬されているのが発見された事件をめぐり、イスラエルはガザ地区の住民が埋葬したと主張した。
ジュネーブのイスラエル代表部は7日(現地時間)にプレスリリースで、先月20日にガザ地区南部カーン・ユニスのナセル病院で発見された集団埋葬地について、「ガザ地区の住民が直接掘ったものだ」と述べた。
同代表部は、「イスラエルによる自己調査とパレスチナ人の証言により明らかになった」とし、「(埋葬地が)制度的な方法で作られたか、現地住民が自発的に行ったか、作戦(戦争)が始まる前に行われたことだ」と語った。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、ナセル病院の遺体安置室や血液透析建物近くの3か所で、先月20日に392人の遺体が密葬されているのが発見された。
これに対し、パレスチナの武装勢力ハマスは、イスラエル軍が住民を殺害した後に密葬した証拠だと主張し、イスラエル軍は否定している。
アメリカもこの件について徹底的かつ透明な調査が必要だと述べ、イスラエルに説明を求めるなど、イスラエルは国際社会からの圧力を受けてきた。
この日の同代表部による主張は、従来の立場に加えて、ハマスが戦争前にガザ地区内で起きたことをイスラエルのせいにして無理強いしていると解釈される。同代表部は具体的な自己調査の結果を提示していない。
同代表部は、パレスチナの特別報告官による報告書などを通じてイスラエル軍のガザ地区内での人権侵害を国連人権理事会が非難したことにも反発した。
同代表部は、「イスラエル軍によるガザ地区内での性暴力や暴行事件があったという主張を断固として拒否する」とし、「テロ組織ハマスが主張する内容を国連はオウム返しにしている」と批判した。
そして、「具体的な証拠が提示されれば、そのような人権侵害の疑いについても私たちは調査する準備がある」とし、「しかし、国連のいわゆる人権専門家たちは、ハマスが医療施設や民間施設を組織的に軍事基地にし、住民を人間の盾としている状況を無視している」と述べた。