確率20%、東海の海に石油・ガスが埋蔵されているが、これを確認する方法は直接掘ってみるしかない。推定される最大埋蔵量は140億バレルで、「21世紀最大の深海油田」であるガイアナ・リザ鉱区の120億バレルを超える。韓国にとっては、一気に産油国になれる、宝くじ当選チャンスだが、その宝くじ購入の価格が消して安くはない。韓国政府は、年末から5つの掘削孔を開けると発表したが、1つあたり1000億ウォン(約114億円)以上の費用を投入しなければならない。20%の確率が外れる場合、最低5000億ウォン(約570億円)以上の無駄金になってしまう。
10日、韓国政府によると、産業通商資源部と韓国石油公社は、来年度予算案に1つの掘削孔費用に相当する1000億ウォン程度を反映し、来年上半期までに初の掘削段階を進める予定だ。政府の計画は、2026年までに東海の深海で最低5つの掘削孔作業を進めることだ。
主管部門である産業通商資源部は、先月末に財政計画部に提出した部門別予算要求書に「(国内外)油田開発事業出資」増額を要求したと伝えられた。
石油公社は、政府が100%の株式を所有する産業部の下部機関だ。初期掘削費用1000億ウォンのうち、約50%を石油公社が負担し、残りの50%を中央政府が石油公社に融資する方式で事業費を調整する計画だという。
今年、韓国政府が編成した油田開発事業出資予算は481億ウォン程度だ(約55億円)。前年比で59.8%増加した規模だが、まだ掘削融資規模の「最低500億ウォン(約57億円)」に達していない。来年予算で掘削を進める場合、1.6倍ほど増加した前年に続き、連続で増額を実施しなければならないという意味だ。
韓国政府は、既に各部門から予算計画案を提出され、審査過程に入っている。昨年大幅に削減された研究開発(R&D)予算の回復が予定されており、半導体産業や少子高齢化対策にも積極的な財政投入が宣言された。
一方、政府の財政姿勢は依然として緊縮に近いため、他の分野では「厳格な支出構造改革」を予告した。確率が保証されていない油田開発事業に早まった増額が困難な理由でもある。
約120億バレルの埋蔵量を記録したガイアナ・リザ鉱区の経済的価値は1000兆ウォン(約114兆円)を超えるとされている。もし、ヨンイル湾油田の埋蔵量が予想通り最大140億バレルに達するならば、単純計算で約1200兆ウォン(約137兆円)近い財政プレミアムを持つことになる。財政枯渇が懸念される健康保険や国民年金、また税収などが一気に補完される可能性もある。
しかし、資源開発の特性上、一か八かに近いギャンブル性が予算編成を強く阻んでいる。地質分析を担当した米国のアクトジオ(Act-Geo)のビトール・アブレウ(Vitor Abreu)顧問も「不確実性を減らす唯一の方法は掘削だけ」としながらも、「20%の成功可能性は80%の失敗可能性を意味する」と成功可能性に線を引いた。
たとえ20%の確率で石油・ガスを発見したとしても、埋蔵量が楽観的な期待と異なる可能性がある。高い成功率を予見したアクトジオでも、推定埋蔵量は最大140億バレルから最小35億バレルまで4倍の差をつけている。低い当選確率の宝くじを購入しながら、当選金さえ保証されない状況だ。
政府側が5000億ウォン(約570億円)程度に設定した宝くじ購入費についても指摘が出ている。チョン・ジンウク民主党議員は、ヨンイル湾石油掘削費用が1兆2000億ウォン(約1369億円)に達するとの推定値を提示したこともある。来年度予算案の承認には大野党の同意が必要な状況で、油田開発の夢は徐々に実現可能性を低下させている。