国際通貨基金(IMF)は、米国が中国を牽制するために導入した貿易制限措置が米国経済と世界経済に悪影響を与えると指摘した。IMFがますます米国の経済政策を批判している。
27日(現地時間)IMFは、米国との定期協議を終えた後に発表した声明で下記について明らかにした。
IMFは、米国の貿易政策に関して「米国は国際貿易と投資体制を弱める危険性がある主要な争点を解決するため、主要な貿易パートナー国と積極的に関与すべきだ」と述べた。さらに、「争点には不公正な貿易慣行、サプライチェーンの脆弱性、国家安全保障に対する懸念が含まれる」と付け加えた。
また、IMFは関税と非関税障壁、米国産資材の使用などの政策が貿易・投資の流れを歪めると判断し、これは米国の経済成長にも良くなく、適切な解決策でもないというのがIMFの指摘だ。
さらに、IMFは米国経済が予想より良い状態にあると評価した。IMFは今年、米国経済が2.6%成長すると予測し、これは4月の見通し(2.7%)とほぼ同じだ。しかし、IMFは「米国の財政赤字が大きすぎ、国内総生産(GDP)に対する公共債務の比率が持続的に上昇している」と分析した。
IMFは「貿易制限措置の持続的な拡大と昨年の銀行破綻によって浮き彫りになった脆弱性を解決するための進展が不十分なことが米国経済の下方リスクである」と説明した。
これに関連して、米議会予算局(CBO)は18日、2024年度の米国財政赤字規模を1兆9000億ドル(約305兆9581億円)と推計した。これは2月の見通しより27%増加したものだ。CBOは今年の米国の財政赤字がGDPの6.7%に増加すると見込んだ。過去50年間、米国のGDPに対する財政赤字の比率は平均3.7%だった。
IMFは「GDPに対する公共債務の比率の持続的な増加を反転させる必要がある」と診断した。米国の慢性的な財政赤字は、緊急に解決すべき重大かつ持続的な政策の誤りという理由からだ。
クリスタリナ·ゲオルギエバIMF総裁はこの日の記者会見で「米国のインフレが来年半ばに米国連邦準備制度(Fed・連邦準備制度)の目標である2%に下がるだろう」と予想した。