オラクル(Oracle Corporation)がデータ移動や追加費用を必要とせず、専門知識を持たない個人でも簡単に生成型AIアプリケーションを構築できる「HeatWave GenAI」を発表した。
◇全ての機能が1つのサーバー内で…安定性UP
オラクルは2日、オンライン記者会見を開き、これらの内容をメインとする「HeatWave GenA」の特徴を発表した。
HeatWaveはオラクルのデータ分析クラウドサービスで、トランザクション、分析、マシンラーニングなどを1つの製品で利用できるようにしたものだ。そこに今回、生成AI機能を組み込み、サービスを強化した。さらに、データの移動を必要とせず生成AI機能をエンタープライズ環境に実装できることが特徴だと説明した。
これは業界初のインデータベース大規模言語モデル(LLM)が適用されたためだという。
さらに、LLMはデータベース内で直接トレーニングを受けることができるため、時間とコストが大幅に削減され、自動化されたインデータベースのベクトルストアを提供し、データの安全性も一層強化されふ。
ニプン・アガーウォル副社長は、「HeatWaveは、今回の生成AI機能を含む全ての機能が単一のサーバー上で提供されることが強み」とし、「データーベース内にベクトルストアがあるため、企業内部の非構造化データまでLLMに活用でき、モデルの拡張性と安定性も最高レベルで実装できる。特に、すべてのデータがデータベース内で利用されるため、セキュリティが高い」と強調した。
◇性能アップ、コストダウン…外国語もOK
オラクルによると、生成AIを使ってアプリケーションを構築する際には、大きくベクトルストアを作成し、実際にLLMを適用する2つのステップを経るが、HeatWave生成AIはこれを1つのコマンドで可能にする効率化が図られたという。
アガーウォル副社長は、「オラクル以外の環境ではベクトルストアの作成だけで9ステップが必要だ。LLMの適用も同様で、このような複雑なステップを大幅に簡素化したことが最大の特徴」とし、「新しいドキュメントを追加する際にもベクトルストアを再生成する必要なく、システムが自動的に更新される」と説明した。
続けて、「代替サービスと比較すると、パフォーマンスが大幅に向上し、コストが大幅に削減されました」とし、「他社サービスと比較した場合、ベクトル処理速度は15〜30倍速いが、コストは最も安い」と付け加えた。
HeatWaveは完全マネージドなサービスで、HeatWaveユーザーは全て追加コストなしで生成AI機能を使うことができ、HeatWave GenAIはMeta Llama2とMistral AIなどのモデルを使用しているという。
アガーウォル副社長は、「HeatWave GenAIを通じて非構造化データを生成AIで簡単に処理できるようになった。書類の電子化が必要な保険会社、医療機関などの分野で大きなメリットを受けられるだろう」と述べた。