アメリカ大統領選挙に向けたテレビ討論が「大失敗」に終わったジョー・バイデン大統領が、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンのように自ら身を引くべきだという主張が挙がっている。
初代大統領であるジョージ・ワシントンは、二期目を終えた後、当時の憲法に任期制限がなかったにもかかわらず、自ら身を引いた。
4日(現地時間)民主党のセス・モールトン下院議員(マサチューセッツ)は、ボストン地区のラジオ放送「WBUR」に出演し「バイデン大統領はアメリカに大きく貢献したが、今は国民の父親の一人であるジョージ・ワシントンの足跡をたどるべき時だ」と主張した。また、新しいリーダーたちがトランプ前大統領に対抗し出馬できるように、バイデン大統領は身を引くべきであると付け加えた。
バイデン大統領がドナルド・トランプ前大統領との初のテレビ討論で頻繁に言葉をつまらせたり、文脈から逸脱した発言をしたりしたことにより、民主党内外では「候補者交代論」が相次いで提起されているという。
モールトン議員がバイデン大統領の選挙戦撤退の意見を示したことから、バイデン大統領の再選放棄を求める民主党議員は3人となった。モールトン議員に先立ち、2日にはロイド・ドゲット下院議員(テキサス)が、3日にはラウル・グリハルバ下院議員(アリゾナ)がバイデン大統領の撤退を提起した。
しかし、バイデン大統領は身を引くつもりはないようだ。
去る2日、バイデン大統領は民主党所属の州知事らとの会談で、選挙戦継続の意志を明らかにしたことが分かった。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、当会談にてバイデン大統領は自身がスタッフのアドバイスを無視して複数の日程を強行したと説明したという。また、労働時間を減らし、午後8時以降の行事は避けるべきだという自身の考えについても述べた。
当会談にてバイデン大統領の健康状態について尋ねた元医師のジョシュ・グリーン知事(ハワイ州)の質問に対しては「私の健康は大丈夫だ」と答えた。そして「それは私の頭脳(のせいだ)」と付け加えたと、ニューヨーク・タイムズは伝えた。
バイデン大統領のこの発言に対して、出席者の大半は冗談として受け取ったが、冗談を冗談として受け入れられなかった出席者が少なくとも1人以上いたとNYTは報じた。
これに対し、バイデン大統領選キャンプのジェン・オマリー・ディロン議長は、バイデン大統領が当発言について現場ではっきりと「冗談だ」と言ったと伝え、バイデン大統領の発言は明らかに冗談だったことを強く主張した。