韓国全土が悲しみに包まれた「市庁駅の悲劇」
事故車両の運転者は「100%急発進」を主張
9人の命を奪った加害者はバス運転士?
韓国全土が悲しみに包まれた7月1日の夜、「市庁駅の悲劇」は自動車が猛スピードで歩道に突進し、多くの犠牲者を生んだ大規模人身事故だ。ソウル市中区に位置する市庁駅近くの交差点で発生したこの重大事故は9人の命を奪い、(運転者の妻を含む)6人が負傷したが、車を運転していた加害者の男(68歳)は「100%急発進だった」と主張している。
2日、韓国メディア「朝鮮日報」の独占取材によると、運転手の男は「ブレーキを踏み続けたのに、車が反応しなかった」とし、「100%急発進だった」と主張した。
そして、「自分には長い運転経歴があり、現役の路線バスの運転士なので、そのような感覚があった。その後、車が(歩道に)突進した」と話した。
事実、加害者の男は一般的な高齢運転者ではなく、無事故運転を続けてきた職業ドライバーであることが分かった。
バス会社の関係者は「バス運転の経験が豊富な従業員で、勤務中に事故などはなかった」と明らかにした。
このような主張や証言にもかかわらず、事故の目撃者や専門家は状況的に「急発進」と判断するのは難しいと述べた。市民たちは「急発進であれば、最後まで車が突っ込んでいくだろうが、横断歩道の前で車が止まった」とし、「急発進ではないだろう」と主張した。
事故当時の防犯カメラを確認すると、事故車両は減速しながら停止したため、一般的に考えられる急発進とは乖離があると付け加えた。
U1大学警察消防行政学部のヨム・ゴヌン教授は「急発進は急加速が発生し、その後、車両が構造物に衝突したり、何かが追突したりするまで止まることはない」とし、「通常、急発進は車両の電子装置の異常により加速する。車両がみずから正常化して速度が落ちたり、運転者がコントロールできるレベルに戻ったりすることはほとんどない」と説明した。
一方、1日午後9時27分頃、加害者が運転していたHyundai「ジェネシス」は、市庁駅近くのホテルから一方通行の4車線道路を逆走し、事故を起こした。
この事故により、ソウル市庁の職員2名、近隣に本店が所在する銀行の職員4名、近隣病院の職員3名が死亡した。