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2024年11月16日土曜日
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岩石由来の鉱物を基にした全固体電池用電解質、DTU研究チームが開発!製造コスト削減と環境に優しい特性に注目

研究により、岩石由来の鉱物が全固体電池の電解質として機能する可能性があることが実証された。

実用化されれば製造コストの大幅削減が期待され、全固体電池時代の到来が加速するとして注目が集まっている。

デンマーク工科大学(DTU)は10日、モハマド・コシュカラム(Mohamad Khoshkalam)博士研究員が主導している研究チームが、一般的な岩石のケイ酸塩である、ケイ酸ナトリウムとケイ酸カリウムを基にした超イオン性新素材を開発したと発表した。

ケイ酸塩の低いイオン伝導性の問題を解決し、全固体電池を固体電解質として活用できる基盤を作り出した。ケイ酸塩は、地球表面の90%以上を囲む岩石から見つけやすい鉱物で、地球上で最も多い鉱物の一つであるため、安くて供給も容易である。室温に近い約40度でイオンを伝導でき、湿度に敏感でないため、電池製造に投入するための加工・処理環境が厳しくないことも利点だ。

問題は低いイオン伝導性である。ケイ酸塩は一般的に用いられる液体、または固体電解質よりも大きく重いため、伝導性が低いとされている。電池の容量、充電時間、寿命、安全性などを改善するためには、電解質の高い伝導性が保証されなければならない。電解質の伝導性は、イオンの正極と負極間の速さによって変わるのである。

コシュカラム研究チームは、ケイ酸カリウムとケイ酸ナトリウムを基にした超イオン性物質のイオンをリチウム基盤の電解質よりも速く移動できるようにするプロセスのレシピを開発した。液体基盤の電解質はもちろん、固体リチウム基盤の電解質よりも性能が優れているとのことだ。

新しいプロセスレシピを基に、この技術に関する特許も最近確保している。研究結果は、材料・工学分野の国際学術誌「アドバンスド・エンジニアリング・マテリアルズ(Advanced Engineering Materials)」に「地球に豊富な岩石、ケイ酸塩から速いK+輸送力学通により実現した迅速な固体ガス・センシング(Rapid Solid-State Gas Sensing Realized via Fast K+ Transport Kinetics in Earth Abundant Rock-Silicates)」というタイトルの論文を掲載した。コシュカラム博士研究員は、この論文の責任著者として名前を挙げた。

しかし、業界では、ケイ酸塩を基にした固体電解質を使用した全固体電池が、実際に電気自動車に搭載して商用化するためには、最低10年以上かかると見込んでいる。まだ技術レベルが低いだけでなく、技術的な難易度が高いためである。

コシュカラム博士研究員は、業界からの懸念にもかかわらず、ケイ酸塩を基にした全固体電池用電解質の実用化すると自信を持っている。実用化プロジェクトを本格的に推進するために、スタートアップ「K-イオン(K-Ion)」を設立する予定である。単純な研究に留まらず、1~2年内に固体電池のプロトタイプを作り、市場に出すことを目指している。

コシュカラム博士研究員は「電池構成要素を使用して初めてテストした結果、この素材(ケイ酸塩基盤の電解質)は、固体電解質として非常に優れた伝導性を持っていることが明らかになった」とし、「私たちは安く・効率的で環境に優しく、拡大可能な固体電解質のための素材を見つけ出したことを証明した」と発表した。

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