いつものように「最高値更新」を見て眠ったが、目覚めたら状況が急変していた。ビッグテックの株価が急落したのだ。しかし、ウォール街では「ラリー(強気相場)のために必要な過程」として個人投資家たちを励ましている。
ビッグテックだけが下落… 1979年以降初めて
12日、ヤフーファイナンスによると、ニューヨーク証券取引所は、前夜株価の上昇と下落を繰り返し不安定な状態で終了した。大型株中心のスタンダード&プアーズ(S&P)500指数は前場比0.88%下落し、5584.54で取引を終えた。開場直後には5642.32まで上昇するなど、急速な上昇を続けていたが、その後力が抜け、5500台まで後退した。
S&P500指数の5つの株のうち4つは上昇したが、マイクロソフト(MS)など、人工知能(AI)ブームの恩恵を受けて強気相場を続けていた企業の株価が大暴落した影響だ。
ビッグテックの株価下落の影響で、テクノロジー株中心のナスダックも前場比1.95%下落し、1万8283.41を記録した。同日のナスダックの下落は今年4度目の大きな下落幅だった。S&P500指数とナスダックは共に7営業日連続の上昇が止まってしまった。
しかし、テクノロジー株の比率が低いダウ・ジョーンズ30種工業平均株価は、前日比32ポイント(0.1%)上昇して終了した。
CNBCなどの外信は、「これまでAIラリーを牽引してきたビッグテックに対する利益確定の売りが大量に出た」と分析した。NVIDIA(▲5.57%)、MS(▲2.48%)、Apple(▲2.32%)の株価がすべて下落した。テスラは8.44%も急落した。
一方、小型株中心のラッセル2000指数は3.5%以上急騰した。ラッセル2000指数が3%以上上昇した一方で、S&P500指数が下落したのは1979年以降、この日が2回目だ。S&P500とラッセル2000がこれほどの差を見せたのは歴史的にも珍しいことだというのが、CNBCの分析だ。「勝者と敗者が一日で入れ替わった」と評価される。
一方、同日、アメリカ労働省が発表したCPI上昇率は、専門家の予想を下回り、9月の基準金利引き下げの期待感を高めた。労働省は6月のCPIが前年同月比3.0%上昇したと発表した。これはウォール街が集計した市場予想(3.1%)よりも低く、4月(3.4%)、5月(3.3%)に続いて3ヶ月連続でインフレ(物価上昇)が鈍化していることを示している。
「ビッグテックから小型株へのローテーションが始まった」
「今日が重要な日だ」としてウォール街の専門家たちは個人投資家を落ち着かせた。
ヤデニリサーチのを率いる経済学者のエド・ヤデニ氏は「今日は投資家が『マグニフィセント7(7大ビッグテック)』から市場の残り株にローテーション(人気銘柄の転換)を始める日」とし、「今日がS&P500を続けて下げるとは思わない。むしろ、S&P493と中小型株でさらなる上昇を見ることができると思う」と強調した。
CFRAリサーチのサム・ストバル主席研究員も「投資家たちは移動している。彼らは大型テクノロジーから中小型株へ、不動産へと移っている」とし、「米国連邦準備制度(Fed)が金利を下げる可能性が高く、これは景気後退に対する対策ではないとの確認を待っていた」と説明した。
債券市場の動きがこれを証明している。米国債の利回りは全体的に下落したが、これは政府債券の価格が上昇したことを意味する。
ベアードのロス・メイフィールド主席研究員は「やや鳩派的よりのパウエルの支持を受けて、良好な消費者物価指数(CPI)が出た」とし、「利率が大幅に下落し、ある種のローテーション・トレード(ローテーション売買)があった。しかし、市場がビッグテックに過度に集中しているという問題は、ローテーション・トレードが表面的には否定的に見える可能性があるということだ」と述べた。