アメリカのドナルド・トランプ前大統領の暗殺未遂事件に巻き込まれ犠牲となった人物の身元が明らかになった。
ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ知事は15日、記者会見を開き、犠牲者が50歳の元消防隊員、コーリー・コンぺラトーレ氏だと明らかにした。暗殺未遂事件はトランプ前大統領が前日14日にペンシルベニア州バトラーで開催した選挙集会の演説中に起こった。
トランプ前大統領は、弾丸が右耳をかすめ怪我を負ったが、現在すでに公の場に復帰している。
今回の暗殺未遂事件では複数名の死傷者が発生した。犯人がトランプ前大統領を銃撃した際、コンぺラトーレ氏以外にも2名が重体で搬送されたが、現在は安定した状態にあるという。コンペラトーレ氏は熱心なトランプ氏の支持者で今回の選挙集会への参加も大変楽しみにしていたが、同行した妻と2人の娘を守るため、身を投げ出しおいかぶさるような状態で銃撃を受けて死亡した。犯人は現場ですぐに射殺されたという。
「CNN」や「New York Post(ニューヨーク・ポスト)」などの現地メディアによると、コンぺラトーレ氏は20年にわたり消防隊員として働いてきた人物だ。
コンぺラトーレ氏をよく知るランディ・リーマー地域消防隊長は「常に他人を助けようとする優しい人だった」と悔やんだ。シャピロ知事はコンぺラトーレ氏に哀悼をささげるため、州の公共施設などに半旗を掲げるよう指示した。
ジョー・バイデン大統領もコンぺラトーレ氏について「遺族に深い哀悼の意を表する。コンぺラトーレ氏は夫であり、父親であり、また消防団員として活動した英雄だった」と述べた。バイデン大統領は「私たちには彼の家族や他の負傷者たちを慰める必要がある」と付け加えた。
一方、銃撃現場の負傷者には共和党のロニー・ジャクソン下院議員の家族も含まれていた。ジャクソン議員は「甥が銃に撃たれて負傷したが、幸いにも彼の負傷はそこまで深刻ではない」と語った。