アメリカ連邦検察は、元中央情報局(CIA)分析官のスー・ミ・テリーを、韓国政府に機密情報を提供し、見返りに金銭や高級ブランドのバッグなどを受け取っていた疑いなどで起訴した。
16日(現地時間)、「The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)」などの現地メディアは、韓国系アメリカ人でシンクタンク「外交問題評議会(CFR)」のシニア・フェローを務めるスー・ミ・テリーが数百万円の金銭や高級ブランド品、高級レストランでの接待などを見返りに韓国政府のエージェントとして活動していた疑いがあると報じた。それに対し、彼女の弁護士は「根拠がない」と疑惑を強く否定しているという。
韓国・ソウル出身のスー・ミ・テリーは、ハワイとバージニア州で育ち、その後、タフツ大学で国際関係学の博士号を取得した。
起訴状によると、テリー被告がCIAを去ってから5年後の2013年6月から外国代理人として登録しないまま韓国政府のための活動を開始したと記載されている。
テリー被告はその頃から指令役と見られる韓国政府の国連代表部参事官を名乗る人物と接触するようになり、高級ブランド「ルイ・ヴィトン」のバッグや「ドルチェ&ガッバーナ」のコート、ミシュランの星付きレストランのディナーなどを見返りに提供されたと検察は訴えている。さらに、約37,000万ドル(約590万円)の裏金を受け取ったという疑いでも起訴された。
活動期間中、韓国政府からの指示を受けてメディア上で韓国の政治的立場を擁護し、アメリカ政府の非公開情報を韓国の情報当局者に伝えたり、米韓当局者の会合を仲介したりしていた。なお、2014年には「The New York Times」に寄稿もしており、日本では過去に対北朝鮮分析の専門家としてNHKの時事番組に出演したこともある。
しかし、テリー被告は過去3度にわたり、議会の公聴会に出席し、自分は韓国政府の代理人でないと宣誓したと伝えられている。
テリー被告は2001年からCIAの東アジア担当分析官を務めていた。2008年の退職後には、ブッシュ、オバマ両政権下の国家安全保障会議で日本や朝鮮半島担当部門を率いていた。