韓国の国家予防接種プログラム(NIP)の入札過程で談合した疑いで裁判にかけられた製薬・流通会社が、2審で無罪の宣告を受けた。罰金刑の有罪を言い渡された1審の判決が覆されたことになる。
23日、韓国の法曹界によると、ソウル高等法院刑事3部は同日、独占禁止法及び公正取引に関する法律違反などの疑いで起訴された、元SKディスカバリー・保寧(ボリョン)バイオファーマ・GCバイオファーマ・柳韓洋行(ユハンヤンハン)・広東(クァンドン)製薬・グラクソスミスクリンの6社と各社従業員7名に対し無罪判決を言い渡した。
彼らは2016年から2018年にかけて、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンなどの入札過程で事前に落札価格を公募し、他の発注者を実質排除する方式で落札価格の決定に不当に介入した疑いで起訴された。この事実は、公正取引委員会の告発で明るみに出た。
1審の判決は、各社従業員にそれぞれ300万〜500万ウォン(約34~56万円)の罰金を、各企業にはそれぞれ3000万〜5000万ウォン(約335~559万円)の罰金刑だった。
しかし、控訴審の判断の結果は一転した。裁判所は「当該行為による競争制限的効果が生じたとは考えにくく、価格などの取引条件に影響を与えた、もしくは与える恐れが存在したとは断定できない」と判決の理由を述べた。
続けて「最終落札者に選定されるためにはワクチン製造者から供給確約書を発行してもらう必要があったが、実質的に共同販売者のみが供給確約書を発行できた」とし、「このような構造的特異性から共同販売者と残りの企業間に実質的な競争関係が存在したとは見なしがたい」と説明した。
さらに「当時、急を要したNIPのスケジュールに合わせるため、疾病管理本部の担当者は共同販売者の担当者に迅速な落札を圧迫し、ここには他社を実質的に排除させてでも、という認識が表れている」とし、「実質的な競争を排除する中で共同販売者が落札を受けるためではなく、ワクチンの適時供給の必要性、疾病管理本部の圧迫によって迅速に入札手続きを完了するためが根本的な背景であると見られる」と付け加えた。