ソウル市の左上に隣接する京畿道高陽市(キョンギ道コヤン市)のアパートで、北朝鮮から飛来した汚物風船が屋上に落下して火災が発生し、あわや一大事となる事故が発生した。
25日、消防当局によると、火災は前日24日午後2時36分頃に発生し、消防隊が迅速に出動したため、約25分で鎮火に至った。幸いにも人命被害はなかったが、屋上が約6㎡焦げた状態になったという。
火災の原因は、北朝鮮が韓国に向けて散布している「汚物風船」だ。北朝鮮は24日午前にかなりの量の「汚物風船」を飛ばしており、これらの風船には韓国市民に対する北朝鮮のプロパガンダ広告や得体の知れないゴミなどが含まれていると見られ、南北間の緊張を高めるとともに、韓国市民に心理的な不安を与えている。
汚物風船の散布は過去から北朝鮮が対抗措置とプロパガンダ目的で使用してきた方法の一つである。北朝鮮はしばしば韓国に対しプロパガンダ広告を風船に詰めて飛ばし、混乱を引き起こしてきた。今回の事件もこの意図の延長線上にあると解釈されるが、今回、住宅街で直接的な被害が発生したため、汚物風船について住民の安全を脅かす懸念が高まっている。
鎮火のため動員された消防装備は合計11台で、人員は28名であった。消防当局は、火災が発生した直後に迅速な対応を行ったため、大きな被害を防ぐことができたと話している。
高陽市の消防関係者は「今回の事件は北朝鮮の挑発行為による予期しない被害であり、住民の安全のため徹底した対応が必要だ」と訴えた。
政府と韓国軍当局は北朝鮮の汚物風船散布に対して強力な措置を表明した。北朝鮮の挑発行為が続く場合、南北関係の悪化だけでなく、朝鮮半島の緊張が一気に深刻化する可能性が高いためである。また、一角では市民の安全のために徹底した対策の整備が急務であると指摘がなされている。
この日は京畿道廣州市(クァンジュ市)のあるマンションの遊び場でも爆発物と推定される北朝鮮からの汚物風船が発見され、子供たちが危険にさらされる事件が発生した。
遊び場で発見された汚物風船には、タイマーのように見える箱に配線が接続された物体がついていた。消防と警察は現場に規制線を配備し、爆発物処理班に処理作業を引き継いだ。