昨年、北朝鮮経済は4年ぶりの成長を見せたが、現在もなお1人当たり国民総所得(GNI)は韓国の30分の1の水準に停滞していることが明らかになった。
26日、韓国銀行は、2023年の北朝鮮の経済成長率について、実質国内総生産(実質GDP)は前年比3.1%の増加が推計されると発表した。それぞれ前年比で2020年は-4.5%、2021年は-0.1%、2022年は-0.2%と3年連続で減少した後、4年ぶりに反動した。
韓国銀行は1991年以降、関係機関から北朝鮮の経済活動に関する資料の提供を受け、国際連合の国民経済計算体系を適用して北朝鮮の経済成長率を推計している。
韓国銀行のカン・チャング経済統計局国民勘定部長は北朝鮮の経済成長について「農林水産業と製造業が増加に転じ、建設業の増加幅が拡大した結果だ」と説明した。
産業別に見ると、農林水産業は作物栽培業を中心に前年比1.0%増加し、鉱業は石炭などの採掘増加により2.6%増加した。製造業は軽工業がカツラなど受託生産が拡大して0.8%増加し、重化学工業は一次金属製品などを中心に8.1%増加した。電気・ガス・水道事業は水力発電と火力発電がともに減少傾向でマイナス4.7%となった。建設業とサービス業はそれぞれ8.2%、1.7%増加した。
北朝鮮経済は久しぶりの成長を見せたにもかかわらず、韓国との国民総所得の格差は過去と同水準で維持された。昨年の北朝鮮の1人当たり国民総所得は158万9,000ウォン(約17万6,500円)で、韓国の4,724万8,000ウォン(約525万円)の30分の1相当に停滞していると集計された。
国民総所得(GNI)も40兆9,000億ウォン(約4.54兆円)相当で、韓国の約2,443兆3,000億ウォン(約271兆円)の60分の1にとどまった。
全体の国民総所得と1人当たり国民総所得は2022年もそれぞれ31.8倍、64.1倍の差があり、今回の調査と大きく差はなかった。
南北間の搬出入を除いた北朝鮮の対外貿易規模は74.6%増加した。輸出は3億3,000万ドル(約506億円)で前年比104.5%増加し、輸入は71.3%増加した24億4,000万ドル(約3,745億円)を記録した。カン部長は「輸出は靴、帽子、カバンなどを中心に増加し、輸入は肥料、プラスチック製品などを中心に増加した」と説明した。
一方、昨年の南北間の貿易規模は皆無であった。南北融和の工業地区計画として設立した開城(ケソン)工業団地が2016年に北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けて閉鎖して以降、貿易実績はほぼないに等しい。