イギリスに留学中の20代中国人男性が、複数の女性に薬物を摂取させた後、性的暴行を行ったとして有罪判決を受けた。判決は6月に言い渡される予定で、担当警察官は「史上最悪の性犯罪者となる可能性がある」と述べている。
8日、BBCやタイムズなどの海外メディアによると、ロンドン中央刑事裁判所は5日、ゾウ・ジェンハオ（28）の性犯罪について有罪を認定した。ゾウは、2019年から昨年にかけて、10人の女性に薬物を摂取させ、性的暴行を行ったとして起訴されている。さらに、わいせつ物の所持、不法監禁、違法撮影の罪にも問われている。
ゾウは20歳のときに北アイルランドへ渡り、2017年から2019年までクイーンズ大学ベルファストで機械工学を学んだ。2020年に新型コロナウイルスのパンデミックによる一時帰国を経て、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ（UCL）で修士・博士課程を取得するために進学した。
彼は2019年から昨年にかけて、特定された2人の女性と、未特定の8人の女性に性的暴行を行ったとされ、その中の9件の性的暴行は違法に撮影されていた。また、被害者の宝石や衣類などの私物を収集していたことも判明した。
捜査の結果、彼は複数のオンラインプラットフォームや出会い系アプリを通じて女性たちと接触し、自宅に招いた後、薬物を使用して犯行を行っていたことが明らかになった。
警察は彼の部屋から隠しカメラと、GHB（ガンマヒドロキシ酪酸）と呼ばれる薬物を発見した。GHBは「G」という俗称で知られ、意識を朦朧とさせる効果がある。
担当警察官は「映像証拠によれば、被害者は50人に上る可能性がある」と述べ、「手口が極めて巧妙で、多くの被害者が自身が被害に遭ったことにすら気づいていない可能性がある」と警告した。
担当判事はゾウについて「極めて危険な捕食者的犯罪者」とし、6月19日に「極めて長期の懲役刑が言い渡されるだろう」としている。
さらに、ゾウは中国で行った性犯罪についてもイギリスで有罪判決を受けた。イギリスに居住する外国人は、イギリスとその母国の両方で違法とされる犯罪を犯した場合、イギリスで起訴される可能性がある。