
大言壮語に終わったのか。大風呂敷を広げたものの、何一つ実現していない。むしろ米国の忍耐が限界に達し、「終戦交渉から手を引く」との発言が出始めている。
ウクライナ終戦交渉を巡り、ドナルド・トランプ政権の能力と忍耐力が底をつきつつあるとの指摘が出ている。
マルコ・ルビオ米国務長官に続き、トランプ大統領までもが進展がなければ仲介役から撤退すると警告し、交渉が思惑通りに進んでいない現状が露呈した。
米国のこうした姿勢に対し、一部では専門的な外交戦略を要する複雑な終戦交渉を、当事国への口頭での脅しだけで急ごしらえしようとして失敗し、無責任に撤退しようとしているのではないかとの批判まで出ている。
英紙ガーディアンは18日(現地時間)、ウクライナ終戦交渉からの撤退脅威はトランプ政権の専門性と忍耐力の欠如を如実に示していると指摘した。
当初、トランプ大統領は大統領選挙候補時代からウクライナ戦争を24時間以内に終結させると豪語してきた。
しかし、仲介の成果は惨憺たるものだ。ウクライナへの軍事援助停止を脅しに30日間の無条件停戦案への同意を取り付けたが、実際にはロシアの反対でエネルギー施設に対する部分的停戦のみが実現し、これすら十分に守られていない。ウクライナの民間人に対するロシアの攻撃も継続している。
ガーディアンは、トランプ政権が詳細かつ複雑な問題が絡む終戦交渉を安易に捉え、能力不足が露呈したと指摘した。和解を導くための専門的な外交努力をほとんど行わず、電話会談と会合だけで全てを解決しようとしたという。
一方、ロシアはむしろ従来の立場を堅持し、自国に有利な交渉を引き出すか、米国が忍耐を失うまで待つことが得策だと判断しているようだ。
トランプ大統領が終戦交渉から完全に手を引いても、ウクライナだけが同盟国と財政的支援者を失うだけで、ロシアにとっては痛手がない状況だ。