
ドナルド・トランプ米大統領が、名門大学や著名法律事務所に続き、市民団体に対しても「報復措置」を予告した。
ABCニュースなど米現地メディアによると、トランプ大統領は17日(現地時間)、ワシントンD.C.にある非営利団体「ワシントンにおける責任と倫理を求める市民(CREW)」について、「免税資格」を見直すと述べたとAP通信を引用して報じた。
報道によれば、トランプ大統領はCREWに対し、「本来公益団体であるべきだが、彼らの唯一の公益はドナルド・トランプを追い詰めることだ」と非難し、「だから我々はそれを調査している。多くのことを精査している」と語った。
また、自身の石油増産政策に反対する環境団体の免税資格にも言及し、「免税資格とは特権である。本当に特権なのだが、ハーバード大学だけでなく、すごく多いところで乱用されている」と指摘した。「いくつかの声明を発表するつもりだ。これは大きな問題だ」と強調した。
CREWは米政界において政府や政治家の腐敗を追及する代表的な団体であり、長年にわたりトランプ大統領を監視してきた経緯から、今回の免税資格はく奪の脅しは報復的な意味合いが強いとみられている。
同団体は昨年の米大統領選を前に、2021年1月6日の連邦議会襲撃事件を扇動した容疑で、トランプ大統領の復職を米憲法修正第14条に基づき阻止しようとする訴訟に関与していた。最近では、トランプ政権と政府効率化省が連邦職員を大規模に解雇したことに反対して訴訟を起こしている。
団体創設者のノーム・アイゼン氏は、トランプ氏の第1期時に行われた弾劾訴追の中心的役割を果たした人物でもある。
このように、トランプ大統領による反対派やリベラル勢力に対する脅しは、対象を選ばず広がっている。
就任直後から、自身の捜査に関わった人物が所属する法律事務所や、敵対者を弁護した法律事務所に対しても報復的な制裁措置を講じてきた。
最近では、大学に対してもキャンパス内の反ユダヤ主義撲滅などを名目に、大学方針の変更を強く要求しており、これに反発したハーバード大学には、22億ドル(約3,097億545万円)規模の連邦補助金の凍結と免税資格のはく奪を進めている。
市民団体や大学が免税資格を失えば、税負担が増えるだけでなく、税控除を前提に集めていた寄付金も減少するため、財政的に大きな打撃を受けることになる。
CREWのジョーダン・リボウィッツ副代表は、「優れた政権は健全な民主主義の中核をなす」とした上で、「我々はアメリカ人が倫理的で誠実な政府を持てるよう、引き続き努力していく」と強調した。