
北朝鮮がドナルド・トランプ米政権による米国製兵器の輸出規制緩和を「戦争拡大措置」だと強く反発している。
22日、韓国軍および外交筋によると、北朝鮮の国営メディアである朝鮮中央通信と労働新聞は20日の報道で、「アメリカにとって武器取引は覇権確立という侵略的な対外政策を支える主要な手段だ」と主張したという。
トランプ大統領は今月9日(現地時間)、米国製兵器を迅速かつ信頼性高く販売するための規制を緩和するという内容の大統領令に署名した。
これについて北朝鮮は、「アメリカはウクライナやガザ地区で戦争が始まった後、追随勢力への戦争装備の提供に力を入れている。近年の米国の武器販売量は大幅に増加しており、輸出された大部分の軍事装備は例外なくヨーロッパや中東の戦争狂たちの手に渡った」と非難した。
さらに、「アメリカは対話と交渉を勧める『仲裁者』のふりをしながら、戦争の拡大を煽っている。米国製の殺戮手段が代理戦争勢力の手に渡る時、どのような結果を招くかは火を見るより明らかだ」と強調した。
韓国国立外交院のパン・ギルジュ教授は、北朝鮮が国営メディアを通じて反発を示した背景について、「ロシア・北朝鮮の戦略的取引の違法性を薄めようとする意図がある」と指摘した。
北朝鮮とロシアの協力は、本質的に国際法と国際レジームを無力化する戦略的な意図があり、「米国の脅威論」を煽ることでロシア・北朝鮮の違法性を正当化しようとしていると分析した。
また、トランプ大統領の大統領令にまで逐一反発しているのは、「対等な行為主体」という構図を作ろうとする狙いがあるとも分析した。北朝鮮がアメリカと対等な相手国であるという構図を強調し、対米交渉力の本質を変えようとしている布石だという。
さらに、北朝鮮の核開発高度化の名分を強調しようとする意図も含まれていると分析した。北朝鮮国営メディアは、トランプ政権の武器輸出緩和を「侵略的な対外政策の証拠」と非難しており、北朝鮮自身が「侵略者アメリカ」に対抗しなければならないことを強調することで、核保有国としての地位を確立しようとしているという。
パン教授は、「アメリカと対峙しようとする北朝鮮の意図を見抜き、韓国が朝鮮半島の主導権を握るためには、外交的・戦略的・交渉的な地位を強固にする戦略を持続的に発揮する必要がある」と提言した。
