尹錫悦、被告人席での初公判…眠気で頭を下げる姿も
内乱首謀の容疑で裁判にかけられている韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)元大統領の被告人席での姿が初めてメディアに捉えられた。
拘束状態で法廷に立った尹元大統領は、裁判中終始沈黙を保ち、眠気で頭を下げる様子も見られた。
21日、尹元大統領はソウル中央地裁刑事25部(池貴然(チ・グィヨン)部長判事)の審理で行われた内乱首謀容疑事件の第2回公判に出席した。弾劾審判時と同じ濃紺のスーツに赤いネクタイ姿で、拘束被告人専用の待機室を通じて入廷。安全上の理由から、一般傍聴人とは別の動線が設けられた。

この日の裁判は、首都防衛司令部の趙成鉉(チョ·ソンヒョン)第1警備団長と特殊戦司令部の金炯基(キム·ヒョンギ)第1特戦大隊長に対する反対尋問が中心だった。尹元大統領は法廷に入る際、弁護人らと短い挨拶を交わした後、被告人席に着席。裁判部入廷時には軽く頭を下げて挨拶した。
うとうとする尹元大統領…裁判後半、「戒厳は価値中立的手段」と主張
第1回公判で93分間の弁論を行った尹元大統領だが、今回は沈黙を選択。裁判進行中、しばしば目を閉じ、うとうとする姿が見られ、ついには頭が机に近づくほど深く下がる場面もあった。
目元をこすったり、隣席の弁護士の尹甲根(ユン·ガプグン)氏と小声で会話を交わす以外は、大きな動きもなく被告人席に座っていた。
裁判後半、検察と弁護側が今後の証人尋問順序について意見の相違を見せると、尹元大統領は自らマイクを取った。
「戒厳は本質的に法的手段であり、価値中立的な概念だ」と強調。さらに「包丁で料理をしたり、木を切ったり、人を傷つけたりできるように、戒厳も状況によって異なる評価をすべきだ。単に戒厳を準備したからといって内乱と断定することはできない」と主張した。
尹元大統領側、監査院長・検事総長らの証人申請
尹元大統領側は、検察が申請した38名の証人のほとんどに対し「本質と無関係」として反対の立場を示した。彼らは当時の内乱計画と認識を共有した高位の人物をまず召喚すべきだと主張し、崔載海(チェ・ジェヘ)監査院長、ソウル中央地検の李昌洙(イ・チャンス)地検長、朴成宰(パク・ソンジェ)法務部長官、国家情報院の白鍾郁(ペク・ジョンウク)元第3次長、李祥敏(イ・サンミン)元行政安全部長官らを証人として申請した。
不正選挙疑惑に関する中央選挙管理委員会の資料検証も併せて要請した。
裁判部は次回公判を5月12日と指定。続いて5月19日と26日にも公判を開き、2週間で3回の集中審理を行う予定だ。12日に開かれる第3回公判では、特殊戦司令部の朴正煥(パク・ジョンファン)参謀総長(陸士49期・准将)など検察側証人2名に対する尋問が行われる見込みだ。