
ウクライナのゼレンスキー大統領を「停戦交渉の障害」として激しく非難していたドナルド・トランプ米大統領が、今度はロシアのウラジーミル・プーチン大統領を標的にした。
現地時間24日、トランプ大統領はロシアによるウクライナの首都キーウへの空爆について「非常に悪いタイミングだった」と述べ、ロシアに追加攻撃の中止を求めた。
トランプ大統領は自身のSNS「Truth Social」に「ロシアのキーウ空爆には不満がある。不要だったし、非常に悪いタイミングで行われた」と投稿した。
さらに「ウラジーミル、やめろ!(Vladimir, STOP!)」とプーチン大統領に自制を求めた。
ウクライナ当局によると、24日未明にロシアがドローンとミサイルを使ってキーウを攻撃し、少なくとも12人が死亡、90人が負傷したという。
トランプ大統領はまた「1週間で5,000人の兵士が死んでいる。平和合意をまとめよう」と訴えた。
このような反応は、米国のウクライナ停戦交渉担当特使スティーブ・ウィットコフが25日にロシアを訪問する予定の中で出てきたものだ。
米国側がウクライナに対してクリミア半島のロシア領編入、現在の前線の固定などを受け入れるよう求めている中、今回のロシアの攻撃がウクライナの抗戦意志を強めることへの懸念があるとみられる。
これに先立ち、トランプ大統領は23日にゼレンスキー大統領を非難していた。
ロシアによるクリミア併合を認める内容の米国の和平案に対し、ゼレンスキー大統領が反発すると、トランプ大統領は「ロシアとの和平交渉にとって非常に有害な発言だ」と批判した。
また「クリミアはバラク・フセイン・オバマ(オバマ元大統領への揶揄)の後ろ盾のもと、数年前に失われたものであり、今回の議論で争点にもなっていない」と主張した。
続けて「ゼレンスキー大統領のような扇動的な発言は、この戦争の解決を難しくする。彼には誇れるものが何もない」と記した。
さらに「ゼレンスキー大統領は平和を選ぶことも、国全体を失う前にさらに3年間戦うこともできる。我々は交渉成立に非常に近づいており、手札の尽きたゼレンスキー大統領は、いまこそ交渉をまとめなければならない」と強調した。