
世界中で3億人以上が利用するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のX(旧ツイッター)がサイバー攻撃により一時停止した。この攻撃はウクライナ地域から仕掛けられたとされている。
Xの所有者であるテスラCEOのイーロン・マスク氏は10日(現地時間)、フォックス・ビジネスを通じて「ウクライナ地域のIPアドレスから、Xシステムを停止させようとする大規模なサイバー攻撃があった」と明らかにした。
マスク氏は「正確に何が起きたのかはまだ不明だ」と述べた。
また、フォックス・ビジネスに出演する前に自身のXアカウントでも「Xに対する大規模なサイバー攻撃があった」とし、「我々は日々攻撃を受けているが、今回は非常に多くの資源が投入された攻撃だ」と指摘した。
さらに「大規模に組織されたグループか、ある国家が関与している可能性がある」と述べ、「現在追跡中だ」と説明した。
ただし、マスク氏はウクライナ発という主張を裏付ける具体的な証拠は示していない。
インターネット監視サイト「ダウンディテクター」によると、この日の午前中、米国、英国、フランス、インド、オーストラリア、アルゼンチン、日本など世界各国でXへのアクセス障害が報告された。米国では4万人以上、日本では7万人以上のユーザーが影響を受けたという。
障害の内訳はモバイルアプリが57%、ウェブサイトが32%だった。
Xへのアクセス障害は2回にわたり数分間発生し、その後復旧した。
マスク氏は宇宙開発企業スペースXを通じてウクライナの通信サービスを支援している。しかし最近、「私がスターリンクを切断すれば、ウクライナの前線全体が崩壊するだろう」と発言し、ウクライナ支持者から反発を招いた。
マスク氏は、これまで停戦を求めてきたドナルド・トランプ米大統領に同調し、ウクライナのゼレンスキー大統領を批判してきた。
しかし、ウクライナ支持者からの批判が続くと、「私がウクライナ政策にどれほど同意しなくとも、スターリンクの端末を絶対に切断することはない」と釈明した。
そのため、一部ではマスク氏に反対する勢力がXを攻撃した可能性も指摘されている。