
グーグルの自動運転子会社であるウェイモは11日(現地時間)、自社のロボタクシー(自動運転タクシー)サービスの提供範囲をサンフランシスコ湾の南部まで拡大することを発表した。
これにより、ウェイモのロボタクシーは同社発祥の地であり本社のあるカリフォルニア州マウンテンビューをはじめ、ロスアルトス、スタンフォード大学のあるパロアルト、サニーベールの一部地域まで運行範囲を広げる事となった。事実上、シリコンバレー全域に拡大したことになるが、同地域の中心都市サンノゼとアップル本社のあるクパティーノのみがサービス対象外となっている。
ウェイモには該当地域の郵便番号を登録したウェイモワンアプリのユーザーのみがこの地域でロボタクシーを利用できるという。
マウンテンビュー、ロスアルトス、パロアルト、サニーベール地域では、第5世代の自動運転センサーとソフトウェアを搭載した電気自動車ジャガーI-PACEが運行される予定だ。
ウェイモの製品責任者、サスワット・パニグラヒ氏は「シリコンバレーでのロボタクシー運行は特別な道しるべになるだろう」と語った。
昨年6月にサンフランシスコで初めて有料ロボタクシーの運行を開始したウェイモは、デイリーシティなどにも運行エリアを拡大してきた。ただし、今回の拡大でもサンフランシスコとシリコンバレーの中間に位置するサンフランシスコ国際空港はサービスエリアに含まれない。ウェイモ関係者は「サンフランシスコ空港をサービスエリアに加えるため、協議中」と説明した。
現在、ウェイモはイーロン・マスク率いるテスラや、世界的EC大手のアマゾンが所有するズークス(Zoox)と競争している。業界ではウェイモがほかの企業より先行していると評価されている。同社はサンフランシスコをはじめ、ロサンゼルス、アリゾナ州フェニックスで週20万件以上の有料乗車を記録している。
グーグルの親会社であるアルファベットは自動運転車部門の売上を公開していない。同部門はその他事業に含まれており、昨年第4四半期のその他事業の売上は4億ドル(約592億7,394万円)、営業損失は11億7000万ドル(約1733億7,628万円)だった。
