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2024年10月06日日曜日
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ウクライナが回収した北朝鮮製ミサイル残骸、詳細な分析結果を公開

ロシアが発射した北朝鮮製ミサイル数十機の残骸をウクライナ当局が回収し、分析したとロイター通信が7日(現地時間)に報じた。ロシアの戦争犯罪を調査するウクライナ検察 ...

ハマス、エジプトの停戦提案を受け入れ、イスラエルは拒否の姿勢

パレスチナの武装派閥ハマスが、エジプトが提案のガザ地区の停戦案を受け入れることにしたと、ロイター通信などの外国メディアが6日(現地時間)に報じた。 引用:ロイター・連合ニュース しかし、イスラエルの当局者は、ハマス側が受け入れた停戦案をイスラエルが受け入れることはできないと線を引いた。 ハマスはこの日、自身のウェブサイトに掲載した声明を通じて、「最高政治指導者であるイスマイル・ハニエ政治局長がカタールの首相とエジプトの情報局長に停戦案の受け入れるとの決定を通知した」ことを明らかにした。 匿名を求めたハマスの高官は、「しかし、まだ停戦が成立したわけではない。イスラエル側はまだ立場を伝えていない」とし、「ハマスが仲裁者の停戦案を受け入れたので、ボールはイスラエル占領勢力が持っている」と述べた。 ハマスの当局者タヘル・アル・ノノは、受け入れることにした停戦案には停戦、復興、難民の居住地復帰、人質及び囚人交換などが含まれていると説明した。 また、彼はハマスの交渉団が7日にエジプトのカイロに向かう予定であることも付け加えた。 ハマスのガザ地区副指導者カリル・アル・ハイヤは、アルジャジーラ放送に対し、停戦は42日ごとに3段階で進行し、第2段階である停戦の中にはイスラエル軍のガザ地区全面撤退が含まれていると話した。 アル・ハイヤは、第1段階の停戦中にはイスラエルの民間人が解放され、最後の第3段階ではイスラエルとパレスチナ間の囚人交換が実施されると補足した。 ハマスの停戦案受け入れの発表は、イスラエル軍がガザ最南端の都市であるラファ攻撃のための手順として民間人避難命令を出したところで出された。 ハマス側の発表直後、イスラエル軍の攻撃を恐れていたガザ地区最南端のラファでは、人々が街に出て歓声を上げ、空に向けて銃を撃っていた。 イスラエルはまだ公式の反応を出していない。 ただし、匿名を求めたイスラエル政府の情報筋はロイター通信に対し、「ハマスはイスラエルが受け入れることができない、より緩和されたエジプトの提案を受け入れた」とし、「その提案にはイスラエルが同意しない広範な結論が含まれている」と述べた。 さらに、「ハマスの今日の発表の裏には、イスラエルが停戦を拒否するように見せるための思惑が絡んでいる」と批判した。 イスラエル軍の主席報道官ダニエル・ハガリ少将は、「私たちはハマスのすべての応答と対応を真剣に検討し、交渉および人質返還の可能性も詳細に扱っていく」とし、「同時にガザ地区では作戦を続けていく」と強調した。 ベンヤミン・ネタニヤフイスラエル首相は、これまでハマスの停戦および兵力撤退要求を受け入れることはできないという立場を堅持してきた。 アメリカはハマスの応答を慎重に検討中であるという反応を示した。 マシュー・ミラー米国務省報道官は、「ハマスから最新の停戦提案に対する応答を受け、これを他の仲裁国であるエジプト、カタールと検討している」と述べた。

緊張が高まる中、サバイバルキットの売り上げ急増

災害・大災害対策ミサイル挑発による戦争の懸念救援物資の売り上げ増加 北朝鮮の核・ミサイル実験が続く中、朝鮮半島の緊張が最高潮に達し、「サバイバルキット」を準備する市民が増えていると報じられ、話題になっている。 彼らを指す新語も再び登場した。いわゆる「プレッパー」は、災害・大災害に対処するために日頃から徹底して取り組んでいる人のことだ。 普段サバイバルキットを持ち歩く人を見て「変わり者だ」と思いがちだったが、北朝鮮による挑発行為が続く中、サバイバルキットは今や「変わり者だ」という評価を受けなくなった。 ソウル江南区にある中小船舶メーカーは、秋夕(チュソク)の贈り物として「サバイバルキット」を配ったといわれている。同社は、国内外の政治情勢を考慮して、必要な緊急物資を選び、サバイバルキットを作って配布したことを明らかにした。 このバッグには、レーション、使い捨ての毛布、超軽量の寝袋、救急箱、防毒マスク、ヘルメット、携帯ラジオ、ランタン、コンパス、ファイヤースティック、傘、ホッカイロ、マルチツール、圧縮タオルなどが入っていると報告されている。 サバイバルキットを受け取ったある社員は、「最初は驚いたが、昨今のニュースを見て、『本当に戦争が起きたらどうしよう』と心配になったことがあるので、家にサバイバルキットが1つあっても悪くないと思った」と感想を述べた。 また、他の社員はオンラインコミュニティに「会社からの斬新な秋夕のプレゼント」として、キットの中身を写真に撮ってアップロードしたところ、反響が大きかったと伝えられている。 これを見たネットユーザーたちは、「近頃、地震などの安全に対する懸念が高まっていて、従業員を真剣に考えて準備したプレゼントのようだ」、「食べて無くなる食用油やハムセットよりも便利そうだ」などの肯定的な反応を示し、会社が準備したセンスの良い贈り物に感嘆した。 また、朝鮮半島の安保不安に加えて、地震・テロなど世界各地で安全問題が浮上し、サバイバルキットや防災セットなどの緊急物資を準備する市民が増えていることが確認された。 都市型災害を専門とする都市災害研究所の所長、ウ・スンヨプ氏は、「確かに10年前と比べて、韓国で戦争や災害に備える人が増えた」と説明し、中でも選挙がある年に南北関係の緊張が高まる現象を「プレッパー」の増加の理由とした。 インターネット上では、北朝鮮が挑発行為を強行した直後、戦争が起きるのではないかと不安になり、サバイバルキットを購入したり、自らキットを準備した市民が証明写真をアップロードすることもある。 タレントのチャン・ヨンランも、自身のYouTubeチャンネル「A級チャン・ヨンラン」でサバイバルキットを公開し、話題になった。同氏は、緊急時の避難に向けてサバイバルキットをストレージルームの一角に保管していると明かした。 同氏のサバイバルキットには、アルミニウム製の毛布、各種非常食、防災グッズなど、様々な物品が入っていた。 これを見たネットユーザーたちは、「私もサバイバルキットを準備しておかなければならない。」「サバイバルキットを前もって準備するのは大げさだとか、過剰だと思うのが一般的だが、災害に備えて準備しておく姿が素晴らしい。」などの肯定的な反応を示した。 一方、オンライン・オープンマーケットなどで「サバイバルキット」の売上が前年比で約3倍に増加したことが確認された。 北朝鮮が挑発行為を続け、ロシア・ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争などが今でも進行中であることを考えると、明日は我が身との懸念から、サバイバルキットを購入することが多いようだ。

米国の核の傘から、韓国は外れるのか

米国の優先、中国への懸念核兵器の不拡散を望む大統領の独自権限 先日、リンゼー・グラム米国共和党上院議員が北朝鮮の挑発がエスカレートすれば、日韓の核武装につながる可能性があると話し、大きな反響を集めている。 グラム議員は、韓国と日本が独自の核プログラムについて考える時期が到来したとみている。現在、韓国は核兵器保有国である米国に、防衛面で多く依存しているとみられる。 これに対し、米国内では、米国が自国の都市を犠牲にしてまで、韓国の安全保障を守るという信念に過度に依存してはいけないとの指摘が出ている。 先日20日、VOAの「ワシントントーク」に出演したエルブリッジ・コルビー元米国防省戦略・戦力開発副次官補とロバート・ピーターズ・ヘリテージ財団研究員は韓国独自の核武装や戦術核再配置などについて討論したという。 司会者は、米国は中国をよりけん制していると話し、北朝鮮が米国の本土を攻撃できる能力を持った場合、米国は韓国を核の傘で守ってくれるのかと質問した。 これに対し、コルビー元副次官補は、バイデン政権は中国に焦点を当てているが、だからといって韓国を諦めたわけではないと明言した。 さらに、韓国は米国の主要な同盟国の一つであるが、韓国側は米国が今のスタンスでできることについて、より現実的に理解する必要があると述べた。 北朝鮮が米国の都市を攻撃するという仮定のもとに、米国が韓国を核の傘で守ってくれるのかという司会者の質問に対しては、「米国は北朝鮮と都市を交換することは望んでいない。韓国の安全保障は、米国が自国の5つの都市を犠牲にしてまで、北朝鮮に何らかの行動を取るという信念に過度に依存してはいけない」と指摘した。 もし韓国が米国の核の傘に入ってもらえないなら、韓国側は独自で核武装を進めるとみられる。実際、北朝鮮の核使用の不確実性が大きいため、多くの韓国人は独自の核武装を望んでおり、韓国と北朝鮮両方が核を持つことで、平和共存の可能性も高まっていくと思ってる。 しかし、米国側は韓国独自の核武装を望んでいないとみられる。この日、討論に出た、ピーターズ研究員は「韓国が独立した核保有国になる前に、米国が西太平洋において、海上巡航ミサイルなどを含む核態勢強化に向かった努力を見たい」と述べた。 さらに、韓国が独自の核武装を望む究極的な目標は安定と戦争抑止だとみられるとし、「戦争と安定が崩壊する前の最後の選択が、不幸にも韓国が核保有国になることであれば、適切な対話を重ねて、進めるべきだ」という立場を明確にした。 米国側は現在、核の拡散を望んでおらず、核兵器の使用に関する決定は米大統領の独自権限であるため、推測の結果に関わらず、米大統領の手にかかっているとも言える。 専門家らは米指導部は自国の安全を最優先に考えるため、戦争が勃発しても韓国に核の傘を渡す可能性はないとみている。 一方、グラム議員の発言に対して、下院軍事委員長であるマイク・ロジャース共和党議員は独自の核武器保有について「望ましい動きではない」と、反対の立場を示した。 ロジャース議員は、米国が対応しなければならない核保有国をこれ以上増やしてはならないと主張し、韓国独自の核武器を保有すべきだという主張は「少数派の意見だ」と明言し、独自の核武装は望んでいないという立場を明確にした。

「イランの領土を再攻撃した場合状況は一変する」イスラエルとイランの緊張緩まぬ対立

報復攻撃の計画は現時点でないもののハマスへの支援は継続、緊張緩まぬ対立 イランのライシ大統領がイスラエルに対し、「再度、イランの領土を攻撃すれば、シオニスト政権を壊滅することになる」と警告した。 23日(現地時間)、「イラン国営通信(IRNA)」によると、ライシ大統領は22日から3日間の日程でパキスタンを訪問しているが、彼は「シオニスト政権が再びイランの領土を攻撃する場合、これまでの状況とは一変し、イスラエルには何も残らないだろう」と述べた。 先だって、イランは今月1日にシリアの首都ダマスカスに位置するイラン大使館周辺が攻撃を受けた際、イスラエルの攻撃であると指摘し、その後、13日深夜から14日にかけてイスラエルに向けて大規模な報復攻撃を行った。 イランは170機の無人機(UAV)、30発以上の巡航ミサイル、120発以上の弾道ミサイルを発射したが、西側諸国の支援もあり99%が迎撃された。 イスラエルもまた、19日にイラン中部イスファハンの空軍基地にある防空システムを攻撃したが、イランは現在、報復攻撃の計画には触れていない。 ライシ大統領はこの日、「西側諸国は人権保護を掲げながら、イスラエルのガザ地区での大量虐殺を支持している。アメリカと西側諸国がもっとも強大な人権侵害者だ」と非難した。 そして、現在ガザ地区でイスラエルと紛争中のハマスへの支援を続けると述べた。彼は、「イランはパレスチナの抵抗を今後も名誉ある形で支援していく」と強調した。 ガザ地区での紛争は昨年10月7日、ハマスのイスラエルへの奇襲攻撃によって始まり、この襲撃によりイスラエルとパレスチナ双方で1,200人を超える死者が発生した。また、イスラエル当局はハマスが依然として約100人の人質と30人以上の遺体を拘束しているとみている。 イスラエルもなお、ハマスの壊滅を目指してガザ地区に対する攻撃を続けている。ガザの保健当局によると、イスラエル軍はガザ地区で34,000人のパレスチナ人を殺害しており、そのうち約3分の2が女性や子供であることがわかっている。

イスラエルの対イラン報復攻撃により中東地域の緊張高まる…連休の海外旅行にも影響生じるか

イスラエルの対イラン報復攻撃により中東地域の緊張高まる イスラエルのイランに対するミサイル攻撃により報復攻撃が本格的に開始されたのか、世界中で緊張が高まる中、連休を控え海外旅行を検討している人たちも悲鳴をあげている。 「ABC News」などの海外メディアは19日朝、イスラエルがイラン国内のある施設をミサイルで攻撃したと報じた。メディアはアメリカ当局の話として、「イスラエルが18日に24時間から48時間以内にイランへの報復攻撃を予定していると通告してきたが、実際にイスラエルがイランのある軍施設に対して報復攻撃を行った。シリアやイラクなども攻撃を受けたかどうかは確認できていない」と報道した。 イスラエルとイランは、13日から14日にかけて行われたイランのイスラエルに対する大規模攻撃により、開戦の機運につつまれていた。報復を宣言していたイスラエルは約6日後の19日に報復攻撃に出た。 過去、イランはイスラエルが自国の核開発施設を攻撃した場合、イスラエルの核開発施設を最先端兵器で攻撃する予定にあるなど、大規模な報復を警告していた。この日、イスラエルの攻撃直後には、X(旧Twitter)などのSNSにイランの主要空軍基地と核開発関連施設があるイラン中部のイスファハンが爆撃される映像が投稿された。 このようにイスラエルとイランとの間で開戦の危機が高まる中、世界経済はもちろん、韓国国内にも影響を及ぼしている。この日、イスラエルの報復攻撃に関する報道直後、ウォン-米ドルの為替レートは18ウォン以上急落し、1ドル1,390ウォン(約156円)で取引された。 韓国では5月の連休と夏季休暇を控えて海外旅行を予定している旅行者も多く、まさに思いがけないニュースだ。米ドルを使用する多くの国々だけでなく、韓国内の旅行者に人気が高い東南アジアの場合も、米ドルを現地で現地通貨に両替するケースが多いためだ。 韓国では5月の連休と夏季休暇を控えて海外旅行を予定している旅行者も多く、まさに思いがけないニュースだ。米ドルを使用する多くの国々だけでなく、韓国内の旅行者に人気が高い東南アジアの場合も、米ドルを現地で現地通貨に両替するケースが多いためだ。 このような突然のドル高ウォン安により海外旅行での費用負担が増えると予想される中、キャンセルを検討する旅行者も増えるとみられている。 5月1日の勤労者の日(*)や5月6日の子供の日の振替休日、5月15日の釈迦誕生日など、韓国でも5月は連休が多くゴールデンウィークと呼ばれており、ドル高ウォン安が進行する中、銀行業界は旅行客向けに手数料割引や旅行費用支援などの特典を次々と打ち出している。 (*法的には記念日扱いであるが、韓国国内の大半の企業などが休日を導入している) 一方、イスラエルはイランへの報復攻撃に先立ち、アメリカに関連内容を通告したが、アメリカはこの空爆には介入していないとみられている。 ジョー・バイデン大統領はイスラエルのイラン報復攻撃に関し、13日夜、イスラエルのネタニヤフ首相との電話会談で「イラン側の攻撃のほとんどが失敗に終わったことから、今回のイランからの攻撃についてはイスラエル側の勝利とみなすべきだ。アメリカはイランに対するいかなる攻撃行動にも参加しない」との立場を明らかにしたと伝えられている。

生物・化学兵器の製造も使用も可能?北朝鮮の開発力向上に「生物化学戦争」のリスク

別名「貧者の核兵器」生物・化学兵器アメリカ政府「北朝鮮はすでに製造技術保有」最悪の場合ソウルで20万人以上の死傷者予想 アメリカ政府は、北朝鮮が戦争時の生物・化学兵器攻撃のために、遺伝子操作に関する技術、ノウハウを継続的に蓄積していると明らかにした。 これは、アメリカ国務省が毎年発行する報告書に登場する評価で、アメリカ国防総省が昨年9月28日に発表した「2023大量破壊兵器対応戦略」に続き、北朝鮮の生物・化学兵器の製造可能性に2度目の言及をしたため、衝撃を与えている。 北朝鮮が遺伝子操作でワクチンや解毒剤がない病原体を散布し、「生物化学戦争」を引き起こす可能性が提起され、注目を集めている。 現地時間15日、アメリカ国務省が「2024軍備統制・不拡散・軍縮合意履行報告書」を公開した。報告書によると、アメリカは北朝鮮が生物・化学兵器として使用可能なバクテリア・ウイルス・毒素の生産技術を保有していると推定している。北朝鮮の国家科学院などが有機体のDNAを操作し、挿入するなどのCRISPR-Cas9システム、いわゆるゲノム編集ツールも兼備しているとみている。 アメリカ国務省が昨年公開した報告書では、「北朝鮮が生物・化学兵器と関連したゲノム編集について限定的な能力があり、バクテリアなどを生産する技術を保有しているかもしれない」と評価していたのとは異なり、今回の報告書では「北朝鮮がゲノム編集能力を兼備している」と確信を持って評価している。アメリカが断定的な評価をした理由は、北朝鮮の生物・化学兵器関連技術の水準が大きく向上したことを示唆している。 アメリカ国務省は毎年報告書を発表しているが、自国の情報機関、統合參謀本部と協力し、北朝鮮、イラン、ロシアなどの核開発や生物・化学兵器に関する開発状況をモニタリングし、鋭意注視していると伝えられている。今回公開された報告書には、昨年と同様に「北朝鮮が生物・化学兵器をスプレーや注射器などを通じて使用可能だ」という内容が含まれていることを確認した。 アメリカはかなり前から、北朝鮮が無人機を利用した毒ガスの空中散布、漢江(ハンガン)の水流を利用した毒性物質の水中散布など、武器を利用した直接的な攻撃ではなく、生物・化学兵器攻撃を試みる可能性があると予見していた。その中でも、特に有機体の特性を人工的に操作し、解毒剤やワクチンのないバクテリアの散布といった見当をつけるのが難しい作戦になっているのが問題となっている。 国際社会は、このような理由により多くの国際協定を結び、(生物・化学兵器の)使用を防いでいるが、北朝鮮が核兵器だけでなく、生物・化学兵器の開発を継続する可能性は高いとみられている。 正確に定義すると、感染性のある病原体を利用する生物兵器と、微生物や毒素を使用する化学兵器はそれぞれ異なる特性を持っている。しかし、アメリカ国務省が報告書の根拠としている1975年に発効した国際連合(UN)の「生物兵器禁止条約(BWC)」によれば、生物兵器と化学兵器をともに禁止しており、モニタリングも両方を対象としている。 北朝鮮が継続的に開発していると推定される生物兵器は、細菌の場合は炭疽菌・コレラ菌、ウイルスは日本脳炎・エボラウイルス・天然痘、毒素はボツリヌス菌や猛毒の神経剤VXなどと推定されている。 その中でもVXは、北朝鮮が金正恩国務委員長の異母兄、金正男をマレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺する際に使用した毒物で、触れただけで神経に作用する猛毒である。 そのため、アメリカのシンクタンク「RAND Corporation」と韓国のシンクタンク「峨山(アサン)政策研究所」は、2022年に北朝鮮の生物・化学兵器に関して分析した共同報告書で「北朝鮮の特殊部隊がエアゾールスプレーを使用して毒ガスであるサリンを(韓国の)首都圏に散布する可能性がある」と懸念を示している。 北朝鮮の生物・化学兵器は、これにとどまることなく、炭疽菌・ボツリヌス菌・流行性出血熱・ペストなど、10種類余りの生物兵器を保有中だと予想されている。この中には、ゲノム編集によって開発された新たな病原体は含まれておらず、実際に北朝鮮が保有している生物・化学兵器はそれ以上だと見られている。 韓国国務部が発表した報告書によると、北朝鮮の生物・化学兵器の保有量は最低2,500tから5,000t以上と推定され、これを野砲や弾道ミサイル、無人航空機、特殊作戦部隊などを利用して散布する可能性を含んでいる。 一方、北朝鮮が炭疽菌10㎏を真昼のソウル上空で爆発させた場合、最大22万人の死傷者が出る可能性があると予想され、これは12.5kt相当の空中爆発核兵器を使用した場合に推定される死傷者12万5,000人よりも大規模な被害になるとみられている。また、北朝鮮がサリン2tをソウルのような人口密集地域に散布した場合には、影響範囲は7.8㎦、死傷者は約25万人に達すると分析した報告書が昨年発表された。 昨年、統一研究院のパク・ウンジュ副研究員が発表した「東アジアの多重的な安保危機の中で北朝鮮の非対称戦力増強が持つ意味」によると、北朝鮮が生物・化学兵器に力を注いでいる理由は効率性にあるとされている。別名「貧者の核兵器」と呼ばれている生物・化学兵器は技術的に製造が容易で、少ない費用で莫大な数の人命を奪うことができるといわれている。 この報告書では、北朝鮮は全国計17ヵ所で生物・化学兵器の研究および培養・生産施設を運営しており、炭疽菌、天然痘、ペスト、コレラ、ボツリヌス菌など5種のウイルス兵器化に成功したとみなしている。 韓国は現在、北朝鮮の生物・化学兵器の使用可能性に対応するため、化学兵器禁止機構(OPCW)とともにに訓練を行い、軍の初動対応、状況管理、分析と検証など全般的な対応手順を制度化しているところだ。

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