パリオリンピックの女子ボクシングで「性別検査失格」騒動に巻き込まれた台湾のリン・ユーティン(28)選手が銅メダルを獲得すると、試合で敗れたブルガリアの選手が両人差し指で「X」を示し、無言の抗議を行った。
リン・ユーティン選手は現地時間の4日、フランス・パリのパリ北アリーナで行われたボクシング女子57キロ級の準々決勝で、ブルガリアのスベトラーナ・スタネバ選手を相手に5対0で勝利し、準決勝に進出した。
ボクシング種目では、2つ銅メダルが授与されるため、準決勝で敗れたとしても、リン・ユーティン選手は表彰台に上ることができる。
リン・ユーティン選手が準決勝に進出したことで、パリオリンピックの「性別検査失格」騒動に巻き込まれた2人の選手は共にメダルを獲得することになった。
アルジェリアのイマネ・カリフ選手は4日、ボクシング女子66キロ級の準々決勝でハンガリーのアンナルカ・ハモリ選手に5対0で判定勝ちし、準決勝に進出。銅メダルを確保した。
リン・ユーティン選手のメダル獲得の一方で、完敗したスタネバ選手の行動が議論を呼んだ。試合後、リングを去らなかったスタネバ選手は両人差し指を交差させて「X」の形を作った。
英ガーディアンなどの外信は「スタネバ選手はこの行動が何を意味するのかというメディアの質問には答えなかった」とし、「女性を意味するXX染色体を念頭に置いているようだ」と推測した。
スタネバ選手を指導するコーチのボリスラフ・ゲオルギエフ氏は、メディアとのインタビューに応じた。
彼は「私はリン・ユーティン選手の出場可否を判断できる医療関連の者ではない。しかし、リン・ユーティン選手が(男性染色体である)XY染色体を持っているならば、ここにいてはいけないはずだ」と述べた。
リン・ユーティン選手は同日の試合後、「今回の大会のためにソーシャルメディアと周囲との連絡を断った」とし、「全ての台湾国民が私を支えてくれていることを知っている」と明かした。