パリオリンピックのボクシング女子で「性別」を巡る議論の中心に立つアルジェリアのイマネ・ヘリフ(26歳)が、また一歩、頂点へと近づいた。
7日(日本時間)、ヘリフはスタッド・ローラン・ギャロスで開催されたボクシング女子66キロ級準決勝で、タイのジェンジェン・スワンナペンに対し、5-0で完勝した。
1、2ラウンドともに5人の審判全員が10-9でヘリフを優勢と判定し、最終3ラウンドは激しい打ち合いとなったが、スタンディングダウンを奪うなど、圧倒的なパワーで勝利をおさめた。
ヘリフは57キロ級の台湾のリン・ユ―ティンとともに性別を巡る議論の中心に立つ選手である。
国際ボクシング協会(IBA)主催の2023年世界選手権の性別適格性検査で男性を示す性染色体「XY染色体」を持っていることにより2選手は失格処分を受けた。
しかし、2016年リオデジャネイロ大会での審判の不正問題や元会長の反社会的組織との関与などを理由に、IBAは国際オリンピック委員会(IOC)からオリンピック競技を管理する権利をはく奪されている。
パリオリンピックでIOCは性染色体がどうかというこというよりも、性別が女性のパスポートを所持していることを根拠に出場資格を決定した。
議論が過熱する中、2回戦でヘリフと対戦したイタリアのアンジェラ・カリニは強烈なパンチに恐怖を感じ46秒で棄権した。そして、準々決勝ではハンガリーのアンナ・ルカ・ハモリに満場一致の5-0で判定勝ちを収めた。
ヘリフが出場するボクシング女子66キロ級決勝は10日午前5時51分に開催される予定だ。