パリオリンピックの女子ボクシングが「性別」を巡る騒動に揺れる中、当事者である台湾のリン・ユーティン(28歳)が決勝進出を決めた。
8日(日本時間)、リン・ユーティンはスタッド・ローラン・ギャロスで開催されたボクシング女子57キロ級準決勝でトルコのエスラ・ユルドゥズカフラマン(27歳)を相手に、5-0の満場一致で圧勝し決勝に進出した。
銀メダル以上が確定したリン・ユーティンは、11日の午前4時30分頃にポーランドのユリア・シェレメタ(20歳)と決勝で拳を交える予定だ。
リン・ユーティンはアルジェリアのイマネ・ヘリフ(26歳)とともに「性別」を巡る議論の当事者となっている選手である。
ヘリフも前日に女子66キロ級準決勝でタイのジェンジェン・スワンナペンに対し、5-0で完勝し、決勝進出を決めている。
両選手は国際ボクシング協会(IBA)主催の2023年世界選手権の性別適格性検査で男性を示す性染色体「XY染色体」を持っていることにより失格処分を受けた。だが、2人の選手は世界選手権を含むそれ以前の大会には問題なく出場を続けてきた。
国際オリンピック委員会(IOC)はIBAの失格処分について、「ウェブサイトに公開された議事録によると、事務局長と最高経営責任者(CEO)が単独で決定を下した」と話している。
そして、パリオリンピックでは性別が女性のパスポートを所持していることを根拠に出場資格を決定したという。
なお、IBAは両選手のオリンピック出場に関し問題提起を行い、いまもなお議論は拡大する一方だ。