韓国を訪れた日本人旅行客がしばしば驚くことがある。それは、市民が公共の場で自分の電気製品のコードなどを勝手にプラグに繋げ、電源を使用していることだ。
実は電源だけではなく、韓国では20年近く前から飲食店などで携帯電話などの充電サービスが当たり前のように行われてきた。
これは文化の違いや電気料金が韓国と日本で大きく差があることに理由があるだろう。
韓国の電気料金は日本のそれと比べると2~3倍で、韓国では中年以上の人々は「電気代」や「電気料金」でなく、いまだに「電気税」と呼ぶ人もいる。
そのため、公共の場で勝手に電源を使用することを「電気泥棒」と呼び、実際に「電気窃盗」として窃盗罪に問われることもある日本とは、公共の場での電源使用に対する意識や環境は大きく異なっているといえるだろう。
実際、過去にある人気K-POPアイドルが日本でコンビニエンスストアを訪れた際、イートインスペースの電源を韓国のつもりで自由に使おうとしたところ、警察を呼ばれそうになったというエピソードがある。
しかし、そのような文化の韓国でも最近、電源タップを用いて複数の電子機器を接続するなど、常識とかけ離れた使い方をする人が増え、批判の声があがっている。
先月、韓国のあるオンラインコミュニティに「迷惑かどうかは微妙だ」というタイトルで投稿された写真は多くのネットユーザーを驚かせた。
投稿者は、最近スターバックスを訪れた際にテーブルいっぱいに複数の電子機器を並べている男の姿を見つけ、驚きのあまり写真を撮ったと話した。
写真を見てみると、男はノートパソコン2台、タブレット1台、スマートフォン4台、ワイヤレスキーボードやマウスなど、複数の電子機器を使って店内で何か作業をしているようだ。
そこがスターバックスではなくまるでオフィスかと錯覚するほど、机の上は電子機器でぎっしりと埋め尽くされており、当初、投稿者は「スーパー迷惑客が出現した」と考えたという。
しかし、よく見てみると、男はすでにドリンクを数杯注文し、デザートまで食べており、さらに電子機器の電力は自ら持参したパワーバンク(大容量のモバイルバッテリー)から供給されていた。
投稿者は「あの男は何者だと思いつつも、お店の売り上げに貢献しているし、でも、勝手にあれだけ電源使うなんて…と疑心暗鬼になっていたら、自らのバッテリーを使っている姿に言葉を失ってしまった」と述べた。
これを見たネットユーザーは「??目を疑ってしまった」、「自分のバッテリーを使っているのがコントみたいで笑った」、「満席でもないわけで正直問題はないような」、「電気泥棒ではないが迷惑行為ではある」といった反応を示した。