米電気自動車(EV)企業テスラの電気トラック「セミ(Semi)」で初となる火災事故が発生した。韓国で発生した地下駐車場でのEV火災がグローバルなEV問題となっている中、セミの火災事故にも関心が集まっている。
20日、業界によれば現地時間19日午前3時16分頃、米カリフォルニア州サクラメント地域プレイサー郡のエミグラントギャップ地域を通るインターステート80高速道路で、テスラ・セミの火災が発生した。火災の影響で高速道路の両方向が数時間にわたり閉鎖された。
火災発生直後に出動した地域の消防士たちは数時間にわたり消火活動を行った。しかし、バッテリーが燃焼する際に発生する有毒ガスと強力な炎に消火に苦労したと伝えられている。現場に出動した消防士たちは有毒ガスに「呼吸することが困難だった」と証言したという。
屋外で火災が発生したにもかかわらず、巨大な炎と有毒ガスが発生したのは、セミに装着されたバッテリーパックが一般的なEVよりもはるかに大きいためである。
テスラの大型電気トラックモデルであるセミには、約450kmの走行が可能なモデルと800km以上を走行できるロングレンジモデルがある。今回火災が発生したモデルがどのモデルかは不明だが、ロングレンジモデルの場合、バッテリーパックの容量は約900kWh、重量は5トンに達すると推定されている。一般的なEVに75-85kWh容量のバッテリーが装着されるのに比べて、10倍以上の容量である。
オーストラリア、ノルウェー、スウェーデンなどで行われた調査によれば、EV火災発生率は内燃機関車に比べて低い。しかし、一度火災が発生すると危険性が高まる。バッテリーがストレスを受けて1000度以上に達し発火する熱暴走現象が発生すると、火災の鎮火は内燃機関車の火災よりもはるかに難しくなる。特にバッテリーパックが可燃性の蒸気雲を放出し、爆発的に燃えるだけでなく、火種を消しても再発火するの可能性が高い。
また、バッテリーを囲む保護ケースとバッテリーパックが車両の下部に位置している点が火災鎮火をさらに困難にしている。
火災の原因はまだ明らかにされておらず、テスラは今回の火災に関して公式な声明をまだ発表していない。