30名の母親がボランティア授乳
オランウータンが模倣
特性を活かした学習
母乳の授乳方法をオランウータンの前で実演した母親たちが話題となっている。
今月12日(現地時間)、オンラインメディア「ニューヨーク・ポスト」によると、アイルランドのダブリンにある動物園で、30人のボランティアが19歳のオランウータン「ムズール」を前に授乳のデモンストレーションを行った。
ムズールはこれまでに2019年と2022年に出産したが、母性を示さず、乳を正しく飲ませることができなかったため、2匹の子どもが死亡してしまった。
そのため、ムズールが今年の初めに再び妊娠した際、動物園側はオランウータンが人間の行動をよく模倣する特性を活かし、母乳の授乳方法を示す機会を設けた。
1日に最大4名の母親たちが洋服を脱いでムズールの前で授乳のデモンストレーションを行った。
動物園側は「ムズールは授乳の実演を行っている母親たちに興味を示し、彼女たちの行動を模倣していた」と伝えた。
ボランティアのノーラ・マーフィーは「ムズールが母親たちの行動をじっと見つめ、時間が経つにつれて手でその動作を真似していたのは、本当に魔法のような体験だった」と感想を述べた。
しかし、先月31日に出産したムズールは、子どもに対して母性を示したものの、授乳の姿勢をうまく取れず、乳を与えることに失敗した。
結局、哺乳瓶を使って乳を与えることになり、ムズールが生んだ子どもは数週間以内にイギリスの専門機関に移される予定である。
ダブリン動物園の獣医ニアム・マクギルは「オランウータンは繁殖率が低く、3~5年に1回しか子どもを産まないため、子どもが生まれることは非常に重要である」と説明した。