高級ブランドのワニ革バッグは数千万円もするが、その製造工程における倫理的問題について懸念の声が上がっている。
韓国動物保護連合は最近、ソウル江南区(カンナム区)のエルメス店舗の前で記者会見を開き、罪のないワニに対する抑圧、搾取、そして虐殺を直ちに中止するよう求めた。
エルメスは、ハンドバッグ、財布、ブーツなどに傷のない均一な皮膚組織のワニ革のみを使用している。1つのワニ革バッグを作るには通常3匹から4匹のワニの皮が必要であり、1つのジャケットを作るには6匹のワニの皮が必要とされている。
韓国動物保護連合は「数々の潜入調査や内部告発によって、高級ブランドであるエルメスのイメージとは裏腹に、動物皮革のバッグを作る工程が文字通り残酷で悪辣であることが明らかになった」と述べ、「ワニの口はテープで封じられ、手足は背中に縛られた状態で運ばれる」と説明した。
また、「生きたワニは鼻を押さえつけられ、頭の後ろを切り落とされ、皮が剥がされる」とし、「最高品質の革を得るために、ワニは皮が傷つかないように動きを厳しく制限された小さな檻の中で育てられる。屠殺される瞬間まで、ワニは自然の本能をすべて奪われ、荒涼で不潔な監禁生活に耐えなければならない」と訴えた。
さらに、「屠殺直前に、動物たちは電気銃で頭を撃たれ、脊髄を切断され、脳を鉄串やナイフで突き刺され、残酷な死を遂げる。しかし、内部告発者らは、動物たちが長時間にわたり意識を完全に保ち、体の一部を動かすことができることを明らかにした」と付け加えた。
続けて、「多くのファッションブランドがすでに動物皮革を使用した製品の製造をやめると発表しているが、エルメスはオーストラリアやその他の国に新たな大規模なワニ農場を建設することでこの流れに逆行している」とし、「エルメスは極めて残酷で恐ろしい動物虐待を直ちにやめるべきだ」と訴えた。
ワニ革バッグの生産における労働条件については、「ワニなどの動物の革を使用することで人獣共通感染症のリスクが生じる可能性があり、また革の加工には環境に悪影響を及ぼす可能性のある多くの有害化学物質が使用される」とし、「この業界の労働者はこれらの有害物質に長時間さらされることが多い」と指摘した。