中国の30代男性が1日の休暇を除いて、104日連続勤務の末、死亡したという労災事故が報じられ、中国の裁判所は会社に対し、40万元(約800万円)の賠償を命じた。
6日(現地時間)、香港メディア「South China Morning Post(サウスチャイナ・モーニング・ポスト)」によると、昨年2月、30代の中国人男性はある会社と労働契約を結び、浙江省舟山市のプロジェクト現場で勤務を開始した。
勤務開始後から男性は過重労働に苦しんでいた。2023年2月から5月まで、4月6日に1日休暇を取得したのを除いて、104日間連続で勤務したという。
その後、男性は体調不良を理由に5月25日に病暇を申請したが、状態が急激に悪化したため、そのまま病院に搬送され、6月1日に死亡した。
遺族は健康だった男性が突然亡くなったのは過労が原因だとし、会社を相手取り訴訟を起こした。しかし、会社側は「業務量は(通常の勤務時間内に)処理可能な範囲だった」とし、「残業は自発的なものであり、彼が亡くなった理由は過労とは関係のない健康問題によるものだ」と反論した。
1審で、A氏の死因が肺炎球菌感染症による敗血症および多臓器不全であることが明かされた。裁判所は「この病気は基礎疾患とは関係なく、主に冬や春、またはインフルエンザ流行期に発生しやすい急性疾患であり、患者の免疫力が低下している時や細菌の毒性が強い時に感染しやすい」とし、「勤務日誌を調査した結果、労働法で定められた規定を会社が違反したことは明らかである」と指摘した。
裁判所は男性の死亡に関し、会社側に責任があると判断した。
長期にわたる連続勤務は過労を引き起こし、免疫機能の低下など健康問題を引き起こす可能性が高い。
裁判所は39万元(約785万円)と遺族の精神的被害に対する賠償1万元を合わせた40万元の賠償を命じた。
会社側は判決に控訴したが、裁判所は2審でも1審の判決を維持した。