ブラックホールの研究が新たな転換点を迎えた。
5日、韓国の朝鮮日報の報道によると、事象の地平線望遠鏡(EHT)が先月27日(現地時間)にM87ブラックホールを史上最高の解像度で観測することに成功したという。今回の研究は、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのシェパード・ドルマン博士が主導し、ブラックホール周辺の領域をこれまで以上に鮮明に捉えることができた。
ブラックホールは宇宙の神秘を秘めた存在であり、2019年に初めて直接観測されて以来、その姿がさらに明らかになってきた。今回の研究では、EHTの観測波長を従来の1.3㎜から0.87㎜に拡張し、ブラックホールの画像をより詳細に取得することができた。EHT協力団はアメリカ、チリ、スペイン、南極など10の大型電波望遠鏡を連携させて成果を上げた。
以前は、ブラックホールの重力によって光が曲がり、M87ブラックホールの姿がぼやけて見えていたが、今回の研究によってその姿が一層鮮明になった。研究チームは、短波長での観測に伴う問題を克服するために、機器の帯域幅を広げ、天候が良い時期を待って感度を向上させた。
現在観測されているブラックホールの画像は、物質がブラックホールに吸い込まれる際に放出されるエネルギーによって現れる「ブラックホールの影」とされている。実際のブラックホールの中心部は、画像内の黒い円の部分で推定されている。また、ブラックホール周辺のジェット現象も研究の重要な研究対象であり、これはブラックホールに吸い込まれた物質が強力な磁場によって曲げられ、その結果、エネルギーが放出される現象を示している。
ブラックホールに関する研究は、1915年にアインシュタインが一般相対性理論を発表して以来、継続的に進展してきた。最近では観測技術の進展により、研究がさらに活発に行われている。2018年に亡くなったスティーブン・ホーキング博士は、ブラックホールを「星々の終焉であり、宇宙誕生の始まり」と言及し、ブラックホールを理解することで宇宙の始まりと終わりを把握できると語った。