今年8月までに全世界で登録された電気自動車は前年同期比で20%ほど増加し、1,000万台を目前にしている。
欧米市場では依然として需要が鈍化している中、中国市場の圧倒的な成長速度が電気自動車市場を牽引しているという分析だ。
8日、二次電池産業や再生可能エネルギーなどに関連する市場調査やコンサルティングを行う「SNE Research」によると、中国では8月までの累積電気自動車登録台数が625万8,000台となった。これは前年同時期(476万台)に比べ、31.5%増加した数字である。
中国では今年、電気自動車のシェアが62.6%に達し、中国の電気自動車メーカー「BYD」は220万5,000台を販売し、27.9%の伸びを見せた。これは全世界の電気自動車販売量でも1位の数字だ。
プラグインハイブリッド車を除いた、バッテリー式電気自動車の販売量も98万台で、バッテリー式電気自動車比率が100%である「テスラ」の販売台数(110万4,000台)に迫っている。
電気自動車販売量で2位に入った「テスラ」は「モデル3」と「モデルY」の販売台数が減少し、前年同期比5.8%のマイナス成長となった。欧州市場では16.2%、北米市場でも8.4%減少した。
3位は中国の「GEELY」だ。「GEELY」のプレミアムブランド「ZEEKR」の需要が増え、海外市場では傘下の「VOLVO」と「Polestar」を軸にシェアを急速に拡大している。
「ヒョンデグループ」も約36万6,000台を販売し、前年同期比3.1%のマイナス成長となった。「IONIQ 5」と「KIA EV6」が販売不振にあえぐ中、「KIA EV9」と「KIA EV3」により反転を模索している。
世界の電気自動車登録台数は増えたが、需要の鈍化傾向は依然として続いている。
前年同期比31.5%の成長を見せた中国市場以外では依然として電気自動車の需要に陰りが見えるからだ。
特にヨーロッパでは電気自動車の「キャズム理論」が表面化し、前年同期比2.7%のマイナスとなった。
需要の鈍化だけでなく、既存の自動車メーカーが収益性低下を懸念し、EV化の速度を躊躇しているという分析だ。
また、補助金規模の縮小、販売価格、インフラの不足なども世界的な需要を鈍化させる要因とされている。