新生児取り違え事件、ICUで発生
容姿の変化気づきDNA鑑定へ
「髪型変わり眉も消失」
タイの新生児集中治療室(NICU)で新生児取り違え事件が起きたことが分かった。
台湾メディア「カオソード」の報道によると、今年8月、呼吸障害を発症した生後間もない女児が、NICUで7日間の抗生剤投与を受けた。
NICUでの撮影は禁止されていたものの、父親のアヌチャ氏が密かに撮影した写真を妻に見せていた。
退院後、アヌチャ氏は娘の容姿に違和感を覚えた。「髪が短くなり、眉毛が消えていた」という。着せられていた衣服やタオルも、本来の娘のものとは異なっていた。
病院に連絡を入れ、引き取った乳児が実子でない可能性を訴えたが、病院側は「新生児の見た目は日々変化する。入浴後に着替えをすることもある」と取り合わなかった。
アヌチャ氏は地元メディアに写真を提供し、「新生児がここまで変わることがあるのか」と訴えた。ネット上で疑問の声が相次いだことを受け、DNA鑑定を実施。引き取った乳児が実子でないことが確認された。
「激しい怒りと悲しみを感じた。娘の身に何が起きたのか分からず、恐怖を覚えた。本当の娘に会いたかった」とアヌチャ氏は心境を語った。
病院の調査で、同時期にNICUで抗生剤治療を受けていた別の女児が、職員の過失により取り違えられていたことが判明。公衆衛生局幹部と病院幹部らが記者会見を開き、過失を認めて両家族への補償を約束した。
アヌチャ氏は約87万円の損害賠償を請求。もう一方の被害家族と分配する意向を示している。