中国の世界遺産・紫禁城で、米国の著名ファッションデザイナー、リック・オウエンス氏が独特な服装を理由に入場を拒否される出来事があった。
19日、香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が報じたところによると、オウエンス氏は最近、デザイナーデュオのペカル・マター氏らと紫禁城を訪れた際、施設関係者から退去を要請されたとのことだ。
紫禁城の入場規則では、「施設のイメージを損なう服装や行為を禁止しており、適切でない服装の場合は入場を拒否する場合がある」と明記している。この一件について、同行者のモデル、ペカル・マター氏はSNS上で不満を表明。入り口で撮影中、施設側から化粧を落とし、一般的な服装に着替えるよう求められたという。
マター氏は「極めて屈辱的で非人間的な対応だった」と非難。「スタイリングは自分のアイデンティティそのものであり、それを変えることはできない」と主張した。また「警備員に追い出される際、何も悪いことをしていないのに犯罪者のような扱いを受けた」としながらも、「世界中で受け入れられないこともある。これは私たちがアイデンティティを守るために払わねばならない代償だ」と述べた。さらに「表現の自由を制限しようとする勢力に対して、私たちは立ち向かっていく」と強調した。
この出来事について、現地では賛否両論が巻き起こっている。「服装の自由は認められるべきだ」との意見がある一方で、「個性は大切だが、他国の文化遺産を訪れる際は、その国の歴史や文化を尊重すべきだ」との声も上がっている。