アメリカで発生したマクドナルドのハンバーガーが原因とみられる腸管出血性大腸菌「O157」の集団感染被害が拡大している。
25日(現地時間)「AP通信」などによると、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、マクドナルドのハンバーガー「クォーターパウンダー」が原因とみられる食中毒が、13州で感染者75人に増加したと発表した。
腸管出血性大腸菌「O157」による食中毒被害は日本でも時おり発生しており、激しい腹痛から始まって、その後に下痢を起こすことが多い。
数日後には血性下痢(下血)も見られ、症状が深刻な場合には溶血性尿毒症症候群や脳障害を引き起こすこともある。
すでに詳細が明らかになっている感染者61人のうち22人が入院し、1人が亡くなった。
また、2人が溶血性尿毒症症候群の症状を示しているといい、これにかかると赤血球を破壊し、腎臓に損傷を与える可能性があるため、重症の場合、腎不全にいたることもある。
先日22日、CDCは西部・中西部の10州で計49人が体調不良を訴え、1人が死亡、10人が入院したと発表したが、わずか数日で患者数は急増した。
CDCは、クォーターパウンダーに使用されている生の細切り玉ねぎを感染源と推定し、詳細な疫学調査を進めている。
また、感染者数が現在把握されている人数よりも多い可能性があるとみている。
報告されている州以外にも被害が拡大している可能性もある。
マクドナルドのクォーターパウンダーに関連する食中毒症状は、コロラド、カンザス、ユタ、ワイオミング、アイダホ、アイオワ、ミズーリ、モンタナ、ネブラスカ、ネバダ、ニューメキシコ、オクラホマ、ミシガンの13州で確認された。
マクドナルドはクォーターパウンダーをメニューから外すとともに、玉ねぎを供給していた「テイラー・ファームズ」のコロラド州の生産施設からの納入を全面的に中止し、テイラー・ファームズも自主回収に乗り出しているという。
テイラー・ファームズの玉ねぎはアメリカ国内900店舗以上のマクドナルドで使用されていた。